景気の減速が鮮明に
22日の衆院本会議で代表質問に立った公明党の太田昭宏代表は、加速度的にグローバル化が進み、激動する国際社会の中で、わが国がいかに舵取りをしていくか、まさに正念場を迎えているとの認識を示すとともに、この大きな"ヤマ場"を乗り越える最も重要な取り組みとして、公明党が一貫して主張する、「生活に直結」した政治の実現を掲げた。
わが国は年明け早々、急激な株安、円高、一層の原油高騰に見舞われている。2007年の首都圏のマンション供給量は14年ぶりの低水準となり、今年(2008年)も減少傾向は続くと見られている。原油、小麦、大豆などの原材料高により企業収益の伸びが鈍化し、昨年(2007年)7から9月期の法人企業の経常利益は全体で約5年ぶりの減益に転じた。景気は回復基調を保ちながらも減速が鮮明になってきたといえよう。
本来、景気回復が続けば企業部門の恩恵が家計に浸透し、設備投資も製造業から非製造業に移るとされる。だが、力強さを欠く個人消費が投資を鈍らせている。「わが国に漂う閉塞感を打破し、人口減少社会にあっても元気な日本、とりわけ家計を元気にする施策に、今こそ力を入れるべきである」との太田代表の主張は、個人消費の喚起につながる、時宜にかなったものといえる。
太田代表は、年頭から訴え続けている「GDP(国内総生産)を上げる」「給与を上げる」「給与所得を10年までの3年間で過去最高水準に上げる」との具体的指標を代表質問でも示した。
確かにわが国のGDP、雇用者報酬(給与所得)はこの10年間、横ばいのままである。GDPの規模は米国に次いで世界第2位だが、世界全体のGDPに占める日本経済の割合はシェアを下げ続けており、06年は9.1%と、24年ぶりに10%を割り込んだ。これは1994年(17.9%)のピーク時と比べるとほぼ半減。日本経済の地位は相対的に低下している。
こうした地位の低下は、株価の下落率が主要国で最も大きくなっている要因の一つといえるだろうし、雇用者報酬の停滞は、景気回復の果実が家計に行き届かない直接的な原因となっている。
GDP拡大策として太田代表が提案した、若年者、高齢者、女性に焦点を当てた雇用拡大施策、日本が得意とする環境技術・新エネルギー技術分野の強化施策などを着実に実行していくことが強く望まれる。
また、給与所得のアップに向けた労働分配率の引き上げについても、政府として強く大企業に要請するとともに、政労使が一体となって早急に施策を策定し、環境整備を図ってほしい。
代表質問ではこのほか、介護従事者の待遇改善、救急医療体制の確立、原油高騰対策など、生活の現場で深刻化している問題も取り上げられた。介護労働の専門性を正当に評価し、生活設計が可能な給与を保障できる介護報酬の確立、救急医療対策推進法(仮称)の制定など、太田代表の提案に政府も積極的に取り組む意向を示したことは評価できよう。
沈みゆく国にするな
折しも22日は世界同時株安の様相を呈し、日経平均株価の終値も752円89銭安の1万2573円05銭と、05年9月以来、約2年4カ月ぶりに1万3000円の大台を割った。日本を沈みゆく国にしてはならない。"勢いのある国"にするため、総力を結集して日本の成長力を強化していきたい。
公明新聞:2008年1月23日













