
国会は22日午後、衆院本会議を開き、福田康夫首相の施政方針演説など政府4演説に対する各党代表質問を行った。公明党の太田昭宏代表は、激動する世界で正念場を迎えた日本に「政治の停滞は許されない」とし、「公明党はどこまでも庶民や中小企業、困っている人の側に立った闘いを貫く」と決意を披歴。国民の目線に立った経済政策や行政の転換、地球温暖化対策などについて政府の考えをただした。
太田代表の衆院代表質問と福田首相、政府答弁の要旨
地球温暖化対策 「賢人会議」の設置提唱
太田代表は、激しい構造変化の中で「庶民の生活実感への敏感力を持つ政治が求められている」とし、生活重視を掲げる首相の姿勢に賛意を示した上で、消費者行政の一元化について「消費者庁をつくるべき」と主張した。福田首相は「各省縦割りの消費者行政を統一的、一元的に推進するための強い権限を持つ新組織を発足させる」と述べた。
【経済政策】
太田代表は、大事なのは「景気・経済の力強さ、勢い」と強調。その上でGDP(国内総生産)や雇用者報酬の総額がここ10年間、横ばいであるとし、閉塞感の打破へ「家計を元気にする施策に今こそ力を入れるべき」と力説。さらに「若年者、高齢者、女性の社会参画に施策を集中的に講じることが大切」と訴え、地域若者サポートステーションの倍増や定年延長・継続雇用の普及、女性の再就職支援など雇用環境の整備を強く要請した。さらに、派遣労働についても労働者保護の視点から、規制のあり方を含め抜本的な見直しに踏み込むべきと主張した。
また、経済拡大にとって「アジアの需要を取り込むことが重要」と指摘した。
給与所得水準の引き上げに関しては、労働分配率の向上に資する施策などを早急に行うべきと訴え、経済を下支えする中小企業の今後の支援策として、下請代金法の厳格な運用や中小企業相談窓口の一本化などを強く求めた。
福田首相は、地域若者サポートステーションの拡充や65歳までの雇用確保、女性に対する再就職支援など環境整備の推進を約束。また、中小企業支援策として、経営支援相談を行う地域連携拠点を全国200から300カ所に整備すると答弁した。
【介護・医療・年金】
太田代表は介護人材の確保について、「介護労働の専門性を正当に評価し、生活設計が可能な給与を保障できる介護報酬を次期改定で措置すべき」と強調。さらに、介護保険の事務手続きの簡素化も求めた。
また、救急医療に関し、国民が安心できる体制を構築するため、「救急医療対策推進法(仮称)」の制定を提唱するとともに、医師不足、看護師不足対策に国挙げて取り組むよう訴えた。
一方、太田代表は無年金・低年金対策として、保険料の追納期間延長、現行25年の受給資格期間の短縮、低所得者層に対する基礎年金の加算制度創設などを主張した。
【防衛省改革、ムダ削減】
太田代表は大胆な防衛省改革の断行を訴え、「現行の中期防衛力整備計画(中期防)を廃止して、来年度中に新たな中期防を策定すべき」と強調。現在の防衛大綱についても見直しの必要性を指摘した。福田首相は「必要な検討を早急に行う」と述べた。
さらに太田代表は、行政のムダ削減のため、公務員の不正経理に対する罰則規定を含めた会計検査院法などの改正が必要との考えを示した。
暫定税率廃止 住民生活に重大な影響
政府答弁
【原油高騰対策・道路特定財源の暫定税率】
また、暫定税率の問題は原油高対策と切り離して考えるべきとし、暫定税率廃止の影響について、国民に説明し理解してもらう努力が必要と述べた。増田寛也総務相は「地方への影響は1・6兆円にも及ぶ。生活道路や通学路の整備などの維持・補修が不十分となり、住民の日常生活に重大な影響が生じる」などと答えた。
【地球温暖化対策】
今夏の北海道洞爺湖サミットについて「本格的な温暖化対策に踏み出すチャンスであり議長国として対策をリードすべき」と訴えた。また温室効果ガス排出削減の新たな中長期目標を掲げるべきことを強調した。
さらに温暖化対策に関し首相直属の賢人会議創設を提唱。国内での排出量取引制度検討の加速や新エネルギー導入の支援策、日中の環境協力の推進と環境基金の設置、生物多様性基本法の制定などを提案した。
【外交】
太田代表は7月の「北海道洞爺湖サミット」で、日本はアジアの経済発展や北朝鮮の核、拉致問題で参加国から協力を得るよう取り組むべきと主張。さらにテロ撲滅に向け、「人間の安全保障」の観点から貧困の撲滅などで議論のリードを求めた。福田首相は「議長国として、地球規模課題の解決に向け、大きな成果を挙げたい」と述べた。また、太田代表は、5月に横浜で開かれる「第4回アフリカ開発会議」で、アフリカ諸国の主体的な自助努力を後押しする中長期的な行動計画の策定を提唱した。
各提案に丁寧に答弁 太田代表
一、(福田康夫首相の答弁について)こちらは具体的に項目を分けて指摘したが、各項目について大変、丁寧な答えがあった。労働分配率を上げる意欲も示されたし、アジアの成長の核となって、その需要を取り込むことにも意欲が見られた。特に、家計を元気にすることに言及があったことは非常に大事なことだから、さらに予算委員会などの論戦でしっかり煮詰めてもらいたい。
一、経済成長(の面)では労働人口の問題が大事で、雇用が不安の源にある。そうした私の指摘について十分、考えているニュアンスは出たのではないか。
公明新聞:2008年1月23日













