その気でやる男 太田あきひろ

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太田代表の衆院代表質問(要旨)

 

 私は、公明党を代表し、福田総理の施政方針演説に関連し、当面する重要政策課題に絞って総理ならびに関係大臣に質問をいたします。


 本年は新年早々、株安、円高、原油の高騰という波乱の幕開けとなりました。激動の世界、加速度的なグローバル化のなか、「世界のなかの日本」「国際社会のなかでの日本」が、いかに舵取りをしていくか、まさに正念場の時代を迎えております。
 「民の欲する所、天必ず之に従う」――公明党はどこまでも「生活に直結」「政治に実現」を掲げ、今こそ、庶民や中小企業や地域で困っている人の側に立った闘いを貫いてまいる決意であります。そして、生活に直結した政策実現のトップバッターとして、また与野党の"橋渡し役"として努力をしてまいる所存であります。
 福田総理、総理は生活重視、消費者重視の並々ならぬ決意を表明され、そして与野党の対話を重視する姿勢を示されています。全く同じ考えであります。施政方針演説で示された消費者行政の一元化、私は消費者庁をつくるべきであると主張していますが、このことも含め、変化激しき時代のなかでの日本の舵取り、そして生活重視の政治姿勢について、まずご決意を伺います。

 

2010年までに給与所得を過去最高水準に
国民目線の経済政策

給与所得の拡大


 私は「安心・安全の勢いのある国づくり」をめざしますが、まず大事なのは、景気・経済の力強さ、勢いであります。
 昨年末の国民経済計算確報版の結果は、わが国経済の先行きに大きな暗雲を投げかけました。それによれば、一人当たり国民所得は、OECD(経済協力開発機構)加盟30カ国中、1993年に2位、2000年には3位だったものが、06年には18位にまで低下しました。また名目GDP(国内総生産)は、ここ10年、判で押したように500兆円近傍のまま横ばいが続いています。ここ3年だけを見れば、アメリカは20%、EUは26%、韓国にいたっては46%も増加しています。
 また、注目すべきは、給与所得であります。雇用者報酬の総額を見ると、ここ10年、97年の約280兆円をピークに260兆から270兆円辺りで横ばいのままであります。景気回復の果実がいまだ家計に十分浸透していない証左であります。
 この国を"勢い"のある国にしなければなりません。決して、この国を沈みゆく国にしてはなりません。わが国に漂う"閉塞感"を打破し、人口減少社会にあっても、元気な日本、とりわけ家計を元気にする施策に、今こそ力を入れるべきであると考えます。
 私は、年頭より「GDPを上げる、給与を上げる、給与所得を2010年までの3年間で過去最高水準に上げる」ことを訴えてきているところであります。
 経済を成長させ、GDPを拡大させるためには、「資本力・技術力・労働力」の三つの要素をいかに効率よく活用し、いかに引き上げていくか、であります。

成長力の強化


 まず、「技術力」の面で大切なことは、日本の魅力・底力を遺憾なく発揮し、イノベーション(技術革新)を中心とした成長力の抜本的強化です。政府与党として、この一年、イノベーションに力を注いできましたが、さらにこれを強めることが、産業の高付加価値化が求められるわが国において不可欠です。
 日本の強みを生かした先進的な新産業の創出も重要です。IT(情報技術)革命を先導したアメリカ・シリコンバレーも大きな戦略の転換を図り、昨今は「環境、新エネルギー、バイオ」などへ重心を移すなど、世界はダイナミックに変化し、戦略的です。日本も遅れてはなりません。環境技術・新エネルギー技術分野はまさに日本の強みであり、さらに施策を強化していくべきです。

年長フリーター自立へ能力開発

雇用拡大


 そして、何よりも大事な点は、「労働力」すなわち「雇用」であります。人口減少社会の中で、まさに今、この点が、大きな不安の源になっているのであります。
 私は、雇用政策に関しては、特に、若年者、高齢者、女性の社会参画に施策を集中的に講じることが大切だと考えます。
 まず第一に、年長フリーターも含めた若年者雇用については、「年長フリーター自立能力開発システム」の拡充やニート支援を行う「地域若者サポートステーション」の倍増など、「若者の活力こそ日本の活力維持の要である」との視点での取り組みが重要です。
 第二に、高齢者については、団塊の世代が退職期を迎える今、元気な60代が活躍できる社会の実現こそが日本の成長の大きな鍵であり、定年延長・継続雇用の普及とともに労働者の募集・採用時の年齢制限禁止の義務化などに官民で力を合わせるべきです。
 第三に、女性の社会参画を拡大するための取り組みが重要です。特に、仕事と家庭が両立できるサポート体制の構築、再雇用の促進、企業内保育所の設置など結婚・子育てによって退職・離職をしない、いわゆるM字カーブからの脱却の施策が重要です。
 さらには、非正規雇用から正規雇用への流れを作るなど、働く人の所得・待遇の拡大を図るべきです。パートと正社員の中間に位置する「ショートタイム社員」を新たな雇用形態として充実させるための支援策も検討すべきです。一方、偽装請負などの違法な事例には厳しい態度で臨むべきであり、日雇い派遣等の派遣労働についても労働者保護の視点から、情報公開の拡大、対象業種範囲など規制のあり方も含め、抜本的な見直しに踏み込むべきではないかと考えます。

アジアの成長


 併せて、日本の活力、経済の拡大にとって、世界の成長、なかんずくアジアの需要をいかに取り込むかの戦略が重要です。日本がアジアの成長の核となり、日本の強みである製造業と、金融資本を両輪にしてアジアの製造業の発展に寄与し、アジアからの需要を日本に取り込むことが重要であると考えます。さらには、EPA(経済連携協定)など各国・地域との経済連携を加速することや、わが国への投資を呼び込むための金融市場や物流など国内のインフラ整備が不可欠です。

労働分配率の引き上げ


 そして、給与所得を上げるという点についてでありますが、そのため、私は、労働分配率の引き上げを訴えたい。近年の労働分配率の動向をみますと、中小企業はほぼ横ばい、大企業は低下傾向が続いています。グローバル化の進展などもあり、残念ながら企業は社員よりも株主を重視する姿勢に傾き、社員への報酬などよりも企業所得や株主配当を優先させ、結果、労働分配率は低下してきています。総理は、施政方針演説で「労働分配率の向上」に言及されましたが、政府として強く大企業に要請するとともに、政労使が一体となって、労働分配率向上に資する施策の策定・環境整備を早急に行うべきであると考えます。
 これら施策を強力に推進することにより、女性や高齢者の雇用・所得拡大で、世帯所得を大幅にアップさせることが可能であると考えます。
 以上、国民の目線から、私の意見・決意を申し上げましたが、それぞれの項目について、福田総理の認識・決意を賜りたいと存じます。

下請けの適正取引 ガイドライン徹底せよ

中小企業支援


 さらに、日本経済の活性化を図るためには、中小企業の活性化が不可欠です。
 公明党はこれまで中小・小規模企業支援の拡充について強力に取り組んできました。特に、長年の課題であった事業承継税制の抜本拡充を含めた制度的な枠組みがようやく実現することとなりました。歓迎の声が党にも寄せられています。
 今後の中小企業支援策として、第一に、下請代金法の厳格な運用や大企業による下請事業者への特段の配慮を求めます。まずは下請適正取引のためのガイドラインの徹底など着実に取り組みを重ねることです。
 第二は、数多くある中小企業相談窓口を一本化し、中小・小規模事業者の経営支援に積極的に乗り出すべきと考えます。
 第三は、いわゆるマル経融資制度の拡充、売掛債権の早期現金化支援、急な資金ニーズに対応する予約保証制度の導入、第三者保証や本人保証を不要とする融資や無担保融資のさらなる拡大を求めたい。
 また、近い将来、中小・小規模企業者の金融支援をトータルに行うための「仮称・中小企業資金繰り円滑化法」(仮称)の制定も必要だと考えますが、中小企業施策に関する総理のご見解を賜りたいと存じます。

 

救急中央情報センター設置を
地域支援策の拡充

介護従事者の待遇改善


 次に、生活現場で深刻な問題となっている諸点について質問をいたします。まず、介護人材の確保についてであります。
 高齢者の増加により、今後少なくとも10年間で新たに40万人から60万人の介護マンパワーの確保が必要とされております。しかし、介護事業の現場では、長時間で重労働にもかかわらず、給与が低すぎることなどから、離職者があとをたちません。
募集しても人が集まらない、という深刻な人材不足が生じています。私は、介護の人材を確保するために、介護労働の専門性を正当に評価し、生活設計が可能な給与を保障できる介護報酬を次期改定において措置すべきと考えます。また、介護保険の事務手続きを見直して、煩雑な書類の作成業務から介護従事者を解放すべきです。今、介護の現場で、誇りと情熱を持って必死で働いている方々の切実な叫びにどのように応えていくのか、総理の見解を伺います。

救急医療


 次に、救急医療について伺います。今全国各地で、救急患者が受け入れ先の病院をたらい回しにされるなどの事件の頻発が報道されています。こうした事態に対し、私ども公明党では、全都道府県の消防本部等に「救急中央情報センター」を設置し、診察可否や空床の有無、手術準備の有無をリアルタイムで知らせる「救急受入れ表示システム(仮称)」を導入すること、指導医を常駐させて、迅速な救急処置・搬送が行えるようにすること、近隣の都道府県との連携体制を確立することを提案しています。国民が安心できる体制を構築するため、新たな立法措置として、「救急医療対策推進法(仮称)」の制定を強く求めるものです。総理、および関係大臣のご見解を伺います。
 この問題の背景には、救急医療を担っている地域の中核病院の医師不足、看護師不足問題があります。まず、緊急医師派遣システムをフル稼働させて国をあげて対応するとともに、勤務医の過酷な労働実態の改善を図るため、診療報酬の改定措置を含め、都道府県とも協力し、できるかぎりの対策を果敢に実施すべきです。一方、中長期的には、医学部の定員増を図るとともに、かつての大学の医局が担っていた医師の生涯教育・人事ローテーションシステムを地域ごとに構築すべきと考えますが、この点について、総理、関係大臣のご見解を伺います。
 看護師不足については、前回の診療報酬改定で導入された7対1の看護師配置基準により、看護師が大学病院などに引き抜かれて、地域医療を支えている病院では、看護師不足により入院患者を受け入れられないという事態が生じております。今回の改定で是正するとともに、現場の混乱を招くような安易な診療報酬の改定を今後は行わないよう強く要望しておきます。

 

一般ユーザーの負担軽減さらに

原油高騰対策


 原油高騰対策について申し上げます。
 世界的な石油需要増大や短期利ざやを狙った投機的動きなどにより原油価格が高騰しています。公明党は昨年末、原油高騰対策案をまとめ、政府挙げての取り組みを求めてきました。その結果、中小・小規模企業者の既往債務の返済緩和、セーフティーネット保証や貸付、高速道路料金の引き下げをはじめ、福祉灯油など生活弱者への支援、離島航路や地方バス路線維持などへの補助、石油価格の監視体制の強化、便乗値上げの阻止など、90項目以上にわたるキメ細かな対応策が開始されております。
 私は、積極的なエネルギー外交を求めたい。そして更に、ガソリン価格の高騰で、国民生活が圧迫されていることを考えると、自賠責保険料の大幅な引き下げが先般決定されましたが、更なる一般ユーザーの負担軽減を真剣に検討すべきだと思いますが、総理のご見解を求めます。

道路特定財源の暫定税率 


 一方で、原油高騰対策として、道路特定財源の暫定税率を廃止せよとの議論がありますが、私は原油高対策と暫定税率の問題は切り離して考えるべきだと思います。政府は、暫定税率が廃止された場合、今後の道路整備や維持管理などにどのような影響を与えるのか、地方財政はどうなるのか、国民の生活や街づくりにどういう影響を与えるのか。きちんと国民に示し、ご理解をいただく努力が必要であると思いますが、総理並びに総務大臣のご見解を求めます。

年金保険料 追納を延長、受給資格短縮

年金記録問題


 次に年金についてお尋ねいたします。
 年金記録問題では、社会保険庁のずさんな記録管理の実態が明らかとなり、国民の年金制度に対する不信は頂点に達しています。国民の大切な年金を受ける権利を守り年金制度の信頼を取り戻すためには、この記録問題の解決を避けては通れません。しかし、未統合の記録を一件一件名寄せし、確実に統合していく作業は膨大であり、その一方で自分の正当な年金を受給したいと一日も早い解決を待ち望む多くの方々がおられます。この記録問題の解決、年金制度の信頼回復に、どのように取り組むのか、併せて、今後の年金記録システムをどのように構築していくのか、総理の決意をお聞きします。
 また、記録問題に関して、責任の所在を明らかにするとともに、厳正な処分を要請します。
 年金制度について申し上げます。公明党は、無年金・低年金の対策の充実を強く主張してまいりました。保険料の追納期間の延長や受給資格期間25年の短縮、さらには低所得者に対する基礎年金加算制度の創設など、老後の生活基盤を充実させるための制度改善を行うべきと考えます。総理のお考えを伺います。

防衛省改革


 防衛省が庁から省へ移行して1年、守屋前事務次官の収賄事件や、次々と明らかになった防衛装備品の調達に絡む巨額の裏金や水増し請求、情報漏えいや給油量誤報告事案など、防衛省・自衛隊に対する国民の信頼を失墜させる事件が相次ぎ、国民は怒り心頭に発しています。
 わが国の平和と安全を守る役割を担う省として再建するため大胆な防衛省改革を断行すべきと考えますが、総理の決意を伺います。
 まず、調達改革への取り組みを早急に進めるべきであります。
 これまでも、装備品をまとめ買いすることや、民生品を使用するなどにより単価の低減を図ること、木製の掃海艇をプラスチック製のものに変更してライフサイクルコストの低減に努めていますが、更に経費削減の数値目標を設定し、知恵を絞り、防衛関係費の抑制を図るべきと考えますが総理の見解をお尋ねします。
 一連の不祥事の渦中、守屋前事務次官のもとで策定されたわが国の防衛力における5年間の所要経費の上限や整備すべき主要装備の数量を定めた現行の中期防が適正なものであるのかとの疑惑は、多くの国民が抱くところです。国民の疑惑を払拭するためには、現在、防衛省改革会議で議論されております改革案の方向性を踏まえつつ、現行の中期防を廃止し、来年度中に新たな中期防を策定すべきであります。
 さらに、平成21年には必要な修正を行うとされている現防衛大綱についても、新たな中期防の策定と整合的に議論し、国民に全体像を示す努力をするべきと考えますが、総理の所見を伺います。

会計検査院法など法改正が必要

行政のムダ削減


 次に行政のムダ削減への取り組みについてお伺いしたい。
 第一に、随意契約の見直しです。
 特に、昨年末の独立行政法人改革においては、公明党の主張もあり、独法の随意契約について、競争性のない随意契約約1兆円のうち、約7000億円を一般競争入札等に計画的に移行することができました。
 今後とも、国・地方及びすべての政府関係法人について、随意契約から透明性の高い競争入札へと移行させ、併せて天下りによる癒着を根絶する必要があります。
 第二に、毎年、会計検査院が指摘する行政経費のムダ遣いについて、各省庁が返還を約束したにもかかわらず、いまだに返還されていない金額が、過去20年間で100億円を超えている実態がわが党の調査で判明いたしました。また、公務員の不正経理について責任の追及が曖昧になっています。
 今こそ、税金のムダの徹底排除を政治主導で行う必要があります。
 具体的には、(1)決算検査報告書に不当事項にかかわる国への返還状況等を掲記する(2)会計検査院に各省庁への懲戒処分要求を義務付ける(3)不正経理を防止するため会計法令に罰則を規定する――など、会計検査院法や会計関係法の改正が必要と考えます。
 以上、二点について、総理の率直なお考えをお聞かせ願いたい。

洞爺湖サミット 温暖化対策をリードすべき

地球温暖化対策


 次に地球環境問題です。地球温暖化は人類の生存の基盤を脅かす重大な問題です。今年(2008年)のG8洞爺湖サミットは、本格的な温暖化対策に踏み出すチャンスであり、議長国としてわが国は温暖化対策をリードすべきだと強く訴えます。
 昨年末、COP13(国連気候変動枠組み条約締約国会議)でバリ行動計画が合意され、今は温室効果ガスの削減義務を負っていない米国や中国など大排出国を含めて、次期枠組みづくりの交渉が始まりました。今後の交渉は、米国を除く先進国のさらなる排出削減を話し合う既存の作業部会と、すべての国が参加する新たな作業部会との、いわゆる2トラックで進められることになります。
 そのうち既存の作業部会の決議では、先進国の排出について「2020年までに90年比25から40%削減」、世界全体の排出量を「今後10から15年以内に減少に転じ」「2050年までに2000年の半分以下にする」との数値が盛り込まれました。他方、新たな作業部会の設置を盛り込んだバリ行動計画でも、同様の数値を示したIPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告書の該当部分が脚注に記載されました。
 少なくとも京都議定書批准国ではこれらの数値が共通認識となったわけですが、これらの数値について政府の見解をお伺いします。またサミット議長国としてこれらの数値を踏まえたわが国の中長期目標を掲げる必要があると考えますが、総理のお考えをお伺いいたします。
 次に国内対策についてお伺いします。京都議定書の議決から10年――。今年(2008年)から排出削減の第一約束期間が始まりましたが、わが国の排出量は90年比6%削減どころか昨年度は6.4%増となっております。
 もはや関係省庁のみに政策決定をゆだねる訳にはまいりません。そこで提案します。
日本の経済・社会を大きく見通せる方に委嘱して総理直属の賢人会議を創設し、学識者、専門家の協力も得て、明確なる国家の意思と戦略を方向付けしていってはどうでしょうか。
賢人会議等での検討課題は、脱炭素社会への道筋やあり方、さらには国内排出量取引、環境税、新エネルギー対策の抜本的強化なども検討課題です。総理の御所見をお伺いいたします。
 特に、現在の自主的取り組みの限界を考えると、確実かつ費用効果的に排出削減が行える制度として、排出量取引制度は重要課題です。既にEUでは導入し、米、オーストラリアなどでも検討が進められ、各国の制度をリンクする検討も始まっています。私は営業の自由や平等原則などを十分に踏まえた日本型の国内排出量取引制度について検討と協議を加速すべきと考えますが、環境大臣の見解をお伺いします。
 一方、排出量削減の鍵を握るのは新エネルギーの普及です。しかし、わが国の普及状況は目標達成計画と比較しても太陽光発電で4分の1、風力発電で3分の1程度と立ち後れています。わが国は2010年度に新エネルギーを約3%とする目標を掲げていますが、EUでは20年までに再生可能エネルギーを20%とする共通目標を掲げており、まさに桁違いです。電力の固定価格買取制度など、新エネルギー導入の抜本的支援策について、総理の御所見をお伺いいたします。
 さて、92年の地球環境サミットに合わせ気候変動枠組み条約とともに採択されたのが生物多様性条約でした。自然との共生をめざし、生物多様性基本法の制定を提案いたしますが、生物多様性保全の取り組み強化についての総理のご見解をお伺いします。
 次に、日中の環境協力についてお伺いいたします。私は、中国の環境悪化はわが国にも直接の影響を与える問題であることから、日中の共同出資で日中環境基金を設置し、日本の経験、技術、人材等も生かして中国の環境保全に協力すべきと提案してきました。こうした環境協力は日中の戦略的互恵関係構築にふさわしいテーマであると考えますが、日中環境協力ならびに環境基金について総理のご見解をお伺いします。

日中、日韓関係のさらなる強化を

平和外交の推進


 わが国にとって外交はますます重要となっています。わが国は、引き続き日米同盟関係を基軸とし、その上で、中国、韓国を含むアジアの近隣諸国との友好関係を発展させていかねばなりません。
 この重要で基軸となる日米関係をいっそう維持・発展させるためには、いかなる施策が必要であるか。また在日米軍再編という、わが国の安全保障にとって大きな影響を持つ問題に、沖縄をはじめとする地元の皆さまの負担軽減にも大いに意を用いつつ、どのように取り組んでいくお考えか。総理の忌憚ない御所見を賜りたいと存じます。
 今年(2008年)は「日本アフリカ交流年」であり、5月には第4回アフリカ開発会議(TICAD4)が横浜で開催されます。これは、日本とアフリカの関係を深化させる絶好の機会であります。
 アフリカ大陸は、豊かな天然資源を背景に急成長している国がある一方、貧困や飢餓、感染症の蔓延や紛争の頻発、あるいは環境破壊など多くの深刻な課題に直面しています。アフリカの発展がなければ、21世紀の世界の平和と安定もありません。今回の会議を通じ、アフリカ諸国のオーナーシップ(主体的な自助努力)を後押しする中長期的な行動計画を策定し、国際社会に発信していただきたいと提案いたします。この点について、総理の御所見を伺います。
 また、7月の洞爺湖サミットは、環境やアフリカ開発の問題も含め、議題は多岐にわたりますが、決して忘れてはならないことは、日本はアジア諸国から唯一参加しているということであります。日本はアジアと世界の結びつきをより強固にし、この地域の経済的発展を促すよう力を注ぐべきであり、特に、日中関係、日韓関係をさらに強化し、政治・経済・環境・歴史問題などあらゆる分野について、隣国として忌憚のない対話を今以上に活発化すべきです。
 また、北朝鮮に関しては、拉致問題の国際課題化を図るとともに、核問題についても毅然たる姿勢を貫き、G8サミット参加国の協力も得て、アジア地域のみならず世界全体の安全保障体制を強化していかねばならないと思います。
 「世界の安定なくしては、日本の繁栄と平和もありえない」という意味では、テロ撲滅のための国際的努力に日本が貢献し続けることも、重要なポイントです。特に、公明党が従来最も重視してきた「人間の安全保障」の観点から、テロの温床と指摘されている貧困の撲滅や人権擁護、安全な水の確保など、ベーシック・ヒューマン・ニーズ(人間の基本的ニーズ)にかかわる支援の強化は喫緊の課題といえます。
 このような大局的・包括的な立場に立って議論をリードする役割こそ、G8サミット主催国の日本の総理大臣に求められていると考えますが、福田総理のご見解とご決意を求めたいと思います。

太田代表の質問に対する増田総務相の答弁要旨
暫定税率の廃止 地方への影響は1.6兆円

通学路整備、橋補強などに支障


 22日の衆院本会議での公明党の太田昭宏代表の質問に対する増田寛也総務相の答弁(要旨)は次の通り。
 仮に、道路特定財源の暫定税率がなくなると、地方団体の財源は地方譲与税分も合わせ、9000億円の減収となる。また、国の道路特定財源である揮発油税を原資とする地方道路整備臨時交付金約7000億円も含めると、地方への影響は、約1兆6000億円にも及ぶ。暫定税率の廃止によって、地域に密着した生活道路や通学路の整備、開かずの踏切対策などの安全対策、冬場の道路の除雪、老朽化が進む橋梁の耐震補強などの維持・補修が不十分となり、住民の日常生活に重大な影響が生じることが懸念される。
 また、新直轄方式による都市間を結ぶ幹線道路の整備に支障が生じることも懸念される。地方においては、道路事業は過去の道路整備に掛かる公債費負担も含め、道路特定財源だけでは足りない。多くを一般財源や地方債によって賄っているのが現状。従って、とりわけ削減が困難な維持・補修費や公債費の負担が大きい団体にとっては、暫定税率の廃止に伴い、例えば、道路以外の分野に充てるべき財源を地方債の償還に使わざるを得ないことから、予算全体のやりくりに極めて苦慮する団体もあり得る。
 さらに、軽油引取税や自動車取得税の暫定税率が廃止された場合には、その前後に消費者の買い控えなどが生じ、自動車の流通などに困難が生じるなど、国民生活に大きな影響を与える恐れもある。
 このように、この問題は国民生活に直結するので、暫定税率の維持が必要と考えている。

太田代表の質問に対する福田首相の答弁要旨
一、(消費者庁の設置について)すべての法律、制度について国民目線の総点検を進めている。各省縦割りの消費者行政を一元的に推進するための強い権限を持った組織を発足させていく。
一、(所得の上昇について)GDPを拡大し、所得を上昇させるため、技術革新の加速など経済戦略を実行していく。
一、(雇用対策について)正規雇用化などで若者の雇用、生活の安定を図る。高齢者について年齢制限禁止の徹底、70歳まで働ける企業の拡充を図る。女性の就業率向上へ保育子育てサービスの向上、離職者の再就職支援など環境を整備する。
一、(給与所得について)労働分配率の向上へフリーターの常用雇用、最低賃金法による労働条件の改善、労働派遣の見直しなど生活者の視点に立ち、大企業の労使に協力を呼びかけていく。
一、(中小企業対策について)各都道府県に下請取引の駆け込み寺を整備していくとともに下請適正取引のガイドラインの徹底を図っていく。また全国に地域連携拠点を整備し、経営相談を受けられるようにする。資金繰り円滑化へ金融対策も万全を期していく。
一、(介護労働者の待遇改善について)介護報酬について、介護保険料にも留意しつつ、明年の改定時に適切な報酬の設定に努める。事務負担の軽減についても可能なものから取り組んでいく。
一、(救急医療対策、医師不足について)救急患者の受け入れを確実に行うための体制整備を進めていく。医師不足について、医学部の定員増、医師不足地域への医師派遣、医師の負担軽減などを行っていく。
一、(原油高対策について)自賠責保険料が4月から全車種平均24.1%引き下げられる。一般的な自家用乗用車で9260円の引き下げとなる。
一、(暫定税率について)廃止すると国・地方合わせて2兆6000億円の税収減となる。地方自治体によっては、福祉、教育など住民サービスの見直しにつながる恐れがある。
一、(地球温暖化対策について)温暖化への対応は待ったなしの状況。低炭素社会の転換へ、自治体、国民の参加を得ながら社会の仕組みを根本から変えていく必要がある。
一、(平和外交について)アジア諸国における安定と成長の定着をめざす積極的外交を展開することも日米外交の一層の深化につながると考える。


公明新聞:2008年1月23日