
全国の県代表、幹事長の皆さま、寒風を突いて党勢拡大への全力の闘い、本当にありがとうございます。本日の県代表協議会は、「次の戦い」の勝利に向け常在戦場の決意で心新たにスタートを切る大切な会合であります。
衆院の解散・総選挙の時期について、私は、秋以降が望ましいが、選挙がいつあっても勝ち抜いていける常在戦場の決意でと申し上げてまいりました。税制関連法案の与野党合意で、選挙は遠のいたと見る向きもありますが、私たちの常在戦場の構えはいささかも変わりません。次期衆院選は、公明党の存亡のみならず日本の将来をかけた天下分け目の戦いであり、一瞬の心のゆるみも許されないことを肝に銘じ、党勢拡大への取り組みを強めてまいりたい。
本日の県代表協議会を出発点に、全議員が一致団結し、着実に「勝利」を勝ち取っていける闘いを積み上げていくよう全力で頑張ってまいりたい。
予算案、税制改正法案 年度内成立に全力挙げる
つなぎ法案の経緯と議長あっせん
今通常国会では、2008年度予算案と、予算案の裏付けとなる税制改正法案が与野党攻防の焦点になっています。先月末には、民主党が3月末で期限が切れる揮発油税(ガソリン税)の暫定税率維持などを含む税制改正法案の年度内成立を阻止する構えを見せ、これに対し与党が同法案の期限を2カ月延長する「つなぎ法案」を提出し、与野党攻防の第1ラウンドとも言うべき、ぎりぎりの折衝が行われました。
税制改正法案が年度内に成立しなければ国民生活や経済、地方財政が大混乱に陥ります。つなぎ法案は、こうした混乱を回避するとともに、税制法案の十分な審議時間を確保するためのものでした。
与党はこれと並行して、税制法案の年度内採決を条件に、野党側が求めている道路財源部分を分離する譲歩案や、道路整備計画の見直しに関する協議機関の設置を提案するなど、円満な審議を粘り強く働き掛けました。残念ながら民主党がこれを拒否したため、やむを得ず「つなぎ法案」の提出に至りましたが、最終的に衆参両院議長のあっせんにより、税制法案を年度内に議了・採決する代わりに、つなぎ法案を取り下げることで与野党が合意いたしました。
議長あっせんは「年度内に一定の結論を得る」というものです。この文言については、両院議長がそれぞれ見解を示している通り、この文言が年度内の採決を意味していることに議論の余地はありません。長い国会の歴史を見ても、予算が年度内に成立しているのに税制法案が成立しなかった例はただの一度もありません。1975年以降、予算が年度内に成立せずに暫定予算を組んだ時でも、税制法案はすべて年度内に成立しています。国民生活の混乱を回避するため、税制法案については年度内に結論を出してきた。これが国会の良識であり、慣例であります。景気・経済の足取りをより確かなものにするためにも、公明党は予算案、税制改正法案の年度内成立に全力を挙げてまいります。
道路特定財源の考え方
通常国会の焦点の一つがガソリン税など道路特定財源の問題です。道路特定財源は、戦後、欧米諸国に比べて著しく立ち遅れていたわが国の道路整備を進めるために、そのための費用を受益者である自動車ユーザーに負担していただくとの考えで制度化されたものです。以来、半世紀の間、道路特定財源によって日本の道路は整備されてきました。
では、日本の道路整備はもう十分かと言えば、都市部であれば、渋滞のひどい道路や開かずの踏切、密集市街地も多く、都市整備の課題は山積しております。地方ではぶつ切りの高速道路が点在し、生活道もすれ違いができず、いざというときに救急車も通れない道路があり、通学路の安全やバリアフリー化など全国共通の課題も残っている。まだまだ十分とは言えないのが実態であります。そこで、政府は昨年、今後10年をかけて最低限ここまでは整備しなければならないという中期計画を策定しました。
中期計画には、地域の活性化や国民生活の安全に直結する道路整備に重点的に取り組むため、生活幹線道路の整備をはじめ、渋滞・耐震対策や通学路の安全対策などの事業が盛り込まれています。例えば、開かずの踏切対策では、約1400カ所の踏切を集中的に工事し、約4兆円の事業費を見込んでいます。同様に、歩道のない危険な通学路・約4万4000キロメートルの整備に約2・8兆円、橋の補修・点検などに約3兆円を見込んでいます。
この中期計画に必要な財源について、政府・与党は昨年末、10年間は暫定税率による上乗せ分を含めて道路特定財源の税率水準を維持する方針を決めました。ただし、公明党の強い主張を反映して、5年後の中期計画見直しや今後の抜本的な税制改正に併せて、道路特定財源のもとになっている自動車関係諸税の簡素化や暫定税率の見直しなどを含む検討を行うことを確認しています。
また、公明党が「納税者の理解」を得られるよう事業の効率化と重点化を進めた結果、政府・与党は、徹底したコスト縮減に取り組むことや、当初65兆円だった中期計画の事業費を「59兆円を上回らない」規模に縮減すること、自動車ユーザーの負担軽減策として高速道路の料金引き下げにも財源を活用することなどを決めています。
地域活性化や安全・安心な暮らしの確保のために、道路整備は重要です。しかし、納税者の理解を第一義に考え、使い道にムダがないように徹底的に見直す。これが公明党の基本的な考え方です。
一方、先の衆参両院議長あっせんを受けて、暫定税率維持などを盛り込んだ税制改正法案について、与野党合意があれば「修正」することになりました。国会で充実した審議を行うために、民主党は早期に対案を提出すべきだと申し上げたい。政府案と民主党案を一緒に審議することが国民理解を深める上で欠かせないことは論を待ちません。さらに、道路特定財源と中期計画に関する与野党の政策協議の場を設け、今後の道路整備や負担のあり方などを冷静かつ徹底的に議論すべきです。道路の問題を政争の具にしてはなりません。
道路特定財源は国民の日常生活と密接に結び付いています。その意味では、地域の実情を踏まえ、生活道や通学路、駐輪場の整備などに取り組んでいる地方議員の皆さまこそ、道路整備と道路特定財源の重要性を一番認識されているはずです。
地方議員の皆さまには、身近な実例を通して国民の理解を得る対話をぜひともお願いしたいと思います。
若年者・高齢者・女性の雇用を拡大
景気・経済
ところで、2002年2月以来、日本経済は輸出・設備投資を軸に大企業主導、外需依存型で緩やかながらも成長を維持してきました。しかし、サブプライム問題に端を発した米国経済の不振、原油や穀物の高騰などにより景気の先行き懸念が広がっています。
まさに今、日本の景気回復の底力が試されている局面を迎えています。そこで私は年頭から「資本力・技術力・労働力を効果的に活用してGDP(国内総生産)を押し上げ、2010年までに給与所得を過去最高水準に引き上げるべきである」「大企業はその利益を従業員の給与に還元すべきだ」と訴えてきました。そして今こそ都市から地方へ、大企業から中小企業へ、企業から家計への三つの波を起こしていかなければなりません。
少子高齢化、人口減少というマイナス要因を乗り越えて経済の潜在力を引き出していくためには、成長の牽引力となるイノベーション(技術革新)と合わせ、労働力の確保、雇用対策が重要なカギとなります。そのめざすべき所は、正規雇用であれ、非正規雇用であれ、「働いた分がきちんと賃金に反映される」という当然の原則に貫かれた経済社会の実現です。最近、日雇い派遣労働をめぐる事件が相次ぎましたが、いわゆる雇用の多様化が「企業の論理」「市場原理」で悪用されるようなことがあってはなりません。
「働く人の目線」「働きたい人の目線」に立って、労働法制を抜本的に見直し、改善することが急務です。特に、長時間労働の是正や日雇い派遣労働の原則禁止などの観点から労働基準法と労働者派遣法について、今国会において法改正に取り組んでまいります。
人口減少下の労働確保のカギとなる若年者・高齢者・女性については、公明党の推進で多彩な施策が実施されてきたところであります。今後、この流れをさらに拡大し、総合的・計画的に推進していくため、党として「若年者・高齢者・女性の雇用拡大プラン」(仮称)の策定に取り組んでいきたい。
そして、大事なのは中小企業のバックアップであります。雇用の約8割近くを担っているのは中小企業であり、下請け企業です。地域の身近な中小企業を守り育成していくことが「雇用確保の生命線」であります。既に成立した今年度補正予算には中小企業向けの原油高対策が盛り込まれています。来年度予算案にも下請け取引の適正化や新事業への金融支援策など多くの中小企業対策が計上されています。さらに、中小企業の非上場株式について相続税納税猶予制度を創設するなど事業承継税制の抜本的な拡充に踏み出します。これは画期的なことであり、昨日も日本商工会議所を訪問しましたが、公明党への期待と感謝の声が寄せられたところであり、党を挙げて中小企業のバックアップにさらに力を入れたいと思っています。
「消費者庁」の具体化進めよ
ギョーザ中毒問題
中国製冷凍ギョーザによる中毒問題にも触れておきたい。公明党は事件が発覚した翌1月31日、女性委員会と食の安全推進委員会の合同会議で対策を検討し、直ちに被害の拡大防止などを舛添厚生労働相に、次いで町村官房長官に申し入れました。ある新聞は、他党の対応が鈍い中で、公明党が迅速に動いたことを報道しました。公明党はキャッチフレーズだけではなく、実際に行動する。まさしく本物の「生活者重視」「消費者重視」の政党は公明党であると強く申し上げたいのであります。
ギョーザ中毒問題は、国民の生命と健康にかかわる重大な問題です。日中両国が引き続き連携を密にし、原因を徹底究明していかなくてはなりません。わが国に中国から輸入される食料品の輸入額は2007年で約9100億円にも上り、アメリカに次いで2番目です。そこで、これを機に日中両国で「食の安全」に関する合同の協議の仕組みを検討してはどうかと提案したい。併せて、水際対策として輸入食品の検疫体制の見直し・強化も検討する必要があります。
今回の問題では、政府が情報を把握するまでに1カ月もかかったという情報伝達体制の不備、いわゆる「縦割り行政」の弊害が指摘されております。消費者保護の観点から、地方と中央の連携を強化しなければなりません。そのために私は、消費者行政を一元化する「消費者庁」をつくるべきと主張しておりますが、今こそ、その構想の具体化を強力に進めるときだと考えます。政府の「消費者行政推進会議」で早急に具体案を取りまとめ、国民に分かりやすい新組織をできるだけ早く立ち上げていくべきだと強く要望いたします。
地域に公明の存在感広げよう
「次の戦い」の勝利へ活動を強化
県代表、幹事長の皆さま! いま最も大事なことは、「次の戦い」に必ず勝つ、また勝てる態勢を断じてつくるとの決意で、議員の党勢拡大の活動を質量ともに強化していくことであります。拡大対策、街頭演説、そして3月地方議会での実績づくりの3本柱に徹して取り組んでまいりたい。
各種団体・企業等との連携強化は、支持拡大のすそ野を広げていく大事な闘いです。また、党の政策・実績を肉声で語り掛ける街頭演説ほど地域の中に公明党の存在感を広げる活動はないと言っても過言ではありません。
このたび、企業や団体などを訪問する際に役に立つ「なるほど! 中小企業応援ブック」の改訂版ができました。3月からは、マスコミなどで話題になる政策・政局テーマについて党幹部が答えるウェブ放送「お答えします」を配信します。これらも十二分に活用し、3000人の公明党議員が心を一つにして党勢拡大への取り組みを強めていこうではありませんか。
私自身、その先頭に立って死力を尽くして闘い抜くことをお誓いし、本日のあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。
公明新聞:2008年2月10日













