その気でやる男 太田あきひろ

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長寿医療 改善策を決定

保険料最大9割軽減
年金から天引き 肩代わりが可能に
政府・与党会議

 

080613-2.JPG 政府と自民、公明の与党両党は12日、首相官邸で連絡会議を開き、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)について、与党高齢者医療制度に関するプロジェクトチーム(PT)が10日にまとめた(1)低所得者の保険料軽減を7割から最大9割に拡大(2)世帯主らによる保険料納付の肩代わりを認めること――などを柱にした運用改善策を正式決定した。公明党から太田昭宏代表、北側一雄幹事長らが出席した。

 政府・与党決定では、低所得層を対象とした保険料軽減対策について、2009年度以降は、7割軽減世帯のうち、年金収入が80万円以下の人の保険料の均等割を9割軽減にし、年金収入が153万?210万円程度までの人の所得割を50%程度減額する。08年度については、7割軽減世帯は均等割が8.5割減額され、年金収入153万?210万円程度の人の所得割を原則一律50%軽減する。
 年金からの保険料天引き(特別徴収)については、これまで国民健康保険料を確実に支払っていた人は、自分の口座からの引き落としを選択できる。また、保険料の肩代わり納付は、年金収入が180万円未満の人で、申請をすれば世帯主や配偶者の口座から引き落としができる。
 このほか、(1)医師が患者と延命治療の方針などを事前に話し合い、文書に残した場合に支払われる診療報酬「終末期相談支援料」は、凍結を含め必要な措置を取る(2)罰則的な措置がある「資格証明書」の発行は、相当な収入があるにもかかわらず保険料を納めない悪質な場合に限り行う――ことなどを明記した。

 

軽減判定の収入基準
公明「個人単位へ見直しを」

 

 今後の検討課題としては、(1)保険料軽減措置の収入基準を「世帯単位」から「個人単位」に見直す(2)世帯内で個々人が加入する保険が異なることなど、加入関係の変化に伴う問題についても検討する(3)保険料天引きの免除対象(年金収入が年額18万円未満)を拡大する(4)70?74歳の医療費窓口負担を2008年度に引き続き1割に据え置く――ことなどを挙げている。
 福田康夫首相は同制度について、「高齢者の医療を守っていくためにも、定着させていくことが重要だ」と強調。太田代表らは、保険料の軽減割合を判定する際の収入基準が「世帯単位」のため、保険料が軽減されない低所得者がいることを指摘し、「個人単位に見直すべきだ」と強く要請した。今後、与党PTで財源を含め検討し、早急に結論を出すことを確認した。


 

政府・与党の改善策骨子案


【保険料の軽減措置】


(1)「均等割」が7割軽減世帯のうち、被保険者全員の年金収入が80万円以下の世帯は9割に軽減
(2)「所得割」は年金収入が210万円程度までの人は50%程度軽減
(3)以上(1)(2)は2009年度から実施(2008年度は7割軽減世帯は「均等割」8・5割減額、「所得割」は原則一律50%軽減)


【年金からの天引き】


(1)国民健康保険(国保)の保険料を確実に納付していた人は、申し出れば口座振替も可能にする
(2)世帯主らに扶養され年金収入が180万円未満の人は、申し出れば世帯主らによる保険料納付の肩代わりができる
(3)国保加入の65歳から74歳の保険料納付も同じ


【診療報酬】


終末期相談支援料は凍結を含め措置をする


【資格証明書】


相当な収入があるのに保険料を納めない悪質な人に限り運用する


【今後の検討課題】


(1)保険料軽減措置の収入基準を世帯単位から個人単位に変更
(2)年金からの保険料天引きの免除対象(現行は年額18万円未満)の拡大
(3)70?74歳の前期高齢者の窓口負担を2008年度に引き続き1割に据え置き


 

細かい配慮、高く評価
神奈川県立保健福祉大学教授 山崎泰彦氏

 

 政府・与党が、低所得者の保険料軽減等、きめ細かい配慮措置を講ずることとしたことを高く評価したい。今後は、広報・相談に特に力を入れるとともに、高齢者の声を運営に反映させる努力をしていただきたい。
 そのためには、運営主体(保険者)である都道府県単位に設置された広域連合の役割が特に重要だ。高齢者にとって、広域連合が目に見えない、遠い存在であることが当面の最大の問題だと思うからだ。市町村から選出された議員は、市町村議会と同様、責任の重さを十分に自覚して議会活動に臨んでいただきたい。
 また、個々の市町村も、広域連合の手足となってしっかり支えていただかなければならない。
 政府・与党のとりまとめでは、最後に「都道府県の関与の在り方について検討する」とある。後期高齢者医療制度の保険者は都道府県にすべきだったという意見もあるほどだ。都道府県の関与・責任を強化する方向での検討を望む。