まず、南北朝時代を描いた、しかも村人の生活から時代の空気を描いたのは面白いし、あまり例がないのではなかろうか。しかも史実の裏付けがある。人物の配置と個性も鮮やか。黒澤明の「七人の侍」とはむしろ違っていて、これは悪党の襲来に備え、8人の侍を雇った村、弩を手にした因幡の百姓の物語だが、むしろその背景を描いている。
柿渋を特産とし、塩との交易によって豊かな村をつくるということも背景にあるし、南北朝時代、楠木正成の活躍と死も物語の背景にある。
「戦さにおける戦いの具体的方法、戦術論」と、それ以上に「村人としてなぜ命を賭けてまで戦わなくちゃならないかという要の理」の重要性。そして長の戦いの時間軸と覚悟と戦闘員の勝利への気迫の重要性を説くなど、絶妙の立体感が快いテンポで迫ってくる。















