その気でやる男 太田あきひろ

太田のぶちかまし!

太田のぶちかまし: 2008年12月アーカイブ

 師走を迎え、寒さが厳しくなり、インフルエンザが流行する季節となった。予防注射を打った人も多いと思う。しかし、私がより心配しているのが「いつ起こるかが問題」といわれている「新型インフルエンザ」だ。
 このところ企業などでも、新型インフルエンザ対策について講習会が開かれたり、マスクの備蓄が進められたりしていると聞く。私が地方自治体を訪問すると、知事から「具体的にどのような対策を推進すればいいか」と相談や要望を受けることもある。
 新型インフルエンザは、鳥のインフルエンザウイルスが変異して、人と人の間での伝播力を獲得することで誕生する。このようなウイルスに、人類は免疫力をもっていない。いったん発生すれば世界規模の大流行となり、甚大な健康被害と、社会・経済機能の破綻を引き起こす可能性がある。
 大流行した場合、日本での死者数は64万人、最悪214万人にのぼるという調査結果もある。新型インフルエンザは目に見えない脅威であり、医療の枠に止まらず国家の危機管理の問題なのだ。
 私は、第一次補正予算は年末対策、第二次補正は年度末対策といってきた。実はこの第一次補正の中に新型インフルエンザ対策が含まれている。抗インフルエンザウイルス薬(タミフル・リレンザ)の備蓄を、国民の約23%分から45%分まで引き上げるための386億円、プレパンデミックワクチン1千万人分を追加備蓄するための59億円、患者が入院する医療機関の設備整備のための30億円などである。我々の強い主張が反映した結果でもある。
 さらに政府は、このほど「新型インフルエンザ対策行動計画(改定案)」や「新型インフルエンザ対策ガイドライン(案)」を公表し、感染拡大防止への地方自治体や企業、家庭の具体的対策を呼びかけた。
 私は以前にもこの連載で「知識のワクチン」と書いたが、一人一人が正しい知識を持つことが基本である。風邪をひいたら出歩かず、マスクをし、咳やくしゃみをするときにはティッシュなどで口と鼻を被うなど、感染拡大防止の習慣を日頃から心がけたい。いたずらに危機感をあおる必要はないが、備えあれば憂いなし。自分ひとりだけでなく、社会全体、世界全体でまさに「水も漏らさぬ準備態勢」が重要なのだ。(公明党代表)=隔週火曜掲載

 最近、高騰していた原油価格が急落し、ようやく落ち着きをみせている。
 昨年半ばからの原油価格の高騰は、未曾有の事態ともいうべきもので、今年7月11日には市場最高値の1バレル=147ドルをつけた。これで国内のガソリン、灯油、軽油価格が高騰。レギュラーガソリンは一時期、全国平均で1リットル=185円まで跳ね上がるなど、国民生活に痛撃を与えた。
 実は、この原油価格の高騰には需要が増えていくという需給バランスだけではなく、投機を含めた金融が暗躍していた。この高騰時期、需給や競争原理を反映した"実力価格"は、1バレル=50|60ドルぐらいだったはずだ。そして、先月に入りようやく実際の原油価格は?実力価格?のレベルに落ち着き、正常な状態に戻ってきた。
 どうして、このような原油価格の乱高下は起こったのか。金融マネーの暴走により、価格が需給バランスを無視してつり上げられたのだ。そこに現在の世界経済の問題点が凝縮されている。こうした金融の暴走をどう抑制していくかが喫緊の課題となっている。
 また、原油価格が下がった背景には、投機マネーの引き上げ、米国発の金融危機による景気後退への先行き不安の影響がある。ただ同時に、ニューヨークだけでなくロンドンをはじめとする各市場での情報を共有し、不正取引をした場合、それが浮かび上がるようなシステムを作ったことも原油価格高騰にブレーキをかけた。原油価格適正化に向けたきめ細かな国際協調による効果が進展している。
 当然、わが国も原油高に対し、手をこまねいていたわけではない。6月には「青森G8(主要8カ国)エネルギー大臣会合」、7月には「洞爺湖サミット」などというようにあらゆる機会を通じて、国際的な働きかけを行ってきた。また資源開発投資の促進、省エネルギーの推進もある。原油の乱高下に対し、取り組みの手綱を緩めないことが肝心だ。
 今は、原油価格が下落し、この恩恵をもっと庶民に還元すべき時にきている。公明党は先月25日、二階俊博経産相に対し原油価格下落に伴う軽油価格の適正化を求める要請を行った。軽油価格の下落幅が、ガソリンなど他の石油製品価格の下落幅に比べて小さかったからだ。今後も、円高による輸入コストの低減も含めた原材料コストの低下分が国民の生活にちゃんと還元されるよう、しっかりとチェックを続けていくつもりだ。(公明党代表)=隔週火曜掲載