その気でやる男 太田あきひろ

私の読書録

私の読書録: 2006年8月アーカイブ

 地球温暖化というのは気候大変動を誘発する引き金ということだ。そして「2℃」は人類が越えてはならない一線という具体的数字なのだ。
 2004年から2006年は自然大災害の多発をもたらした。温暖化は南極や北極の氷や高山の氷河を融かし、海水の熱膨張によって海面の上昇をもたらす。桜の開花が早くなり、紅葉・落葉が遅くなり、動物の生息域が北に広がっている。
「人類はライオンのたてがみを引っぱる無邪気な子ども」と山本良一さんはいい、「環境こそが日本の生命線であり、気候リスクは回避できる」という。

 

 訪中した時だけでなく、杉本さんにはお世話になった。元上海総領事で、館員の自殺もその時のことだ。自身の病も最後にふれているだけだし、館員の自殺についても語っていない。今年8月3日に亡くなられ、それだけに懸命に書き残した遺書といえる。
 ODAや、過酷な身分制度で苦しむ農民の現状や、めまぐるしく変貌・発展する中国の変化と不安定さを現場の仕事のなかから描いている。
 靖国問題で硬直した日中関係の打開について、私は、文化をはじめとする「違い」の認識をより深い次元からしていかないといけないと常に思っている。

 

 

 地球規模の環境問題の深刻化は、本書の29日目の恐怖(湖面の水蓮が1日で1枚から2枚、2日目に2枚から4枚・・・29日目に湖水の半分となった時、翌日、全部埋まることが想像しがたい)にあるように「ゆでがえる」の話のように、なかなか実感がともなわないものだが、今、私たちの回りで「どうもおかしい」と思うことが幾つか出てきている。
 異常気象、鉱物資源の枯渇、砂漠化の進行・・・。文明の流れをどう身近なところから変えていけるか、難問がいよいよ人類に突きつけられている。ぜいたくな先進諸国、限られた水球に無理やり詰めこんだような65億人。月尾さんは5Rをはじめとして、人類の英知の結集を、そして、米中をも入れた京都議定書の今後の枠組みを強く求めている。情報通信、科学、こうした環境問題、そして、首都機能など、とにかく幅広く先端の世界を専門的にみる月尾さんの最もわかりやすい語りの本だ。

 アメリカに代表される市場重視型の福祉レジームも、北欧諸国の社民主義型の福祉レジームも、そして日本が従来とってきた家族依存型の福祉レジームも、いずれも危機に直面している。日本の場合は限界という言葉が適切かもしれない。頑張れる限界ということだ。まさに、ライフ・ワークバランス、仕事と出産・育児の両立、夫婦と企業も含めての働き方の再検討という課題を克服し、少子高齢社会に対応するということは、今までの日本社会のあり方の劇的な転換なくして乗り切れない。
 今までの高齢者支援の福祉政策ではなく、働く女性への育児支援、子供の保育や若者の職業教育に、振り向けるためには、彌縫策(びほうさく)ではなく、土台から作り直さなければならない。これは長期にわたる戦いだ。わが党の「少子社会トータルプラン」の実現を急がねばならない。

 

 政治家の著作は、過去の政治的事実を振り返るもの、めざす政策の提言、あるいは自分史など、いろいろある。野中さんや小沢さんをはじめ読ませていただいているが、安倍さんは自ら「わたしの生まれたこの国に対してどんな感情を抱いていたか、そして・・・・・・」「正直につづったものだ」と述べている。保守本流たらんとしての志と、現在わが国が直面している課題についての率直な感情が伝わってくる。