その気でやる男 太田あきひろ

私の読書録

私の読書録: 2007年4月アーカイブ

「日本の戦争力」の第2弾。核を持つことで国際的な発言力をもって瀬戸際外交に走る北朝鮮の「戦争力」、そして中国の「戦争力」の実態。日本版NSC(国家安全保障会議)の必要性。
大事なことは敵基地攻撃論や核武装論という空理空論が独り歩きしない。「日本は自立した軍事力はもてない」「戦略投射能力なき軍事力を日米同盟で補う」こと。「中国との友好関係の維持」「日本は核軍縮を進める」「米は日本を世界での唯一無二、かつ最重要な"戦略的根拠地"と見なし、日米同盟を結んでいるという日米の特殊な関係をよく踏まえよ」「集団的自衛権の不毛な論議ではなく、日本モデルを提示せよ」―――など。日本の防衛論は穴だらけで、最も防衛に重要なリアリズムが欠如していることが浮き彫りにされる。

鋭いとかシャープであることだけが才能ではなく、些細なことで揺るがない鈍さ、鈍感力こそ、生きていくうえで、最も大切で、基本になる才能だと指摘する。
身近な話だけに、それに医者である渡辺淳一さんであるだけに、そして人の心のひだをよく描く作家だけに、うなずいてしまう。本書にある鈍感力、恋愛力、睡眠力――そして樋口さんのいう祖母力、公明党の現場力、実現力、地域力と、いろいろな力が組み合わされて人は生きていくことができるものだ。「あいまいさを残す耐力」は必要なことだ。人生は割り切れるものではない。

「国家存立の危機を生き抜く道」という副題がついている。日下公人、平松茂雄、桜井よしこ、西岡力、伊藤貫、兵頭二十八氏が論じている。
「北朝鮮の核は"カード"から"現実"へ」「北東アジアで核兵器をもたない国は"日本だけ"という状況」「綻び見せるNPT体制」「ミサイル防衛では核抑止力にならない」「核の脅威には核抑止しかない」「米は最終的に日本を守らない」「非核三原則を見直すべし」「核装備は漸進主義で」「日本に必要な最小限の自衛能力とは」「核の傘やMDでは日本を守れない」「中国の核戦略」――などを繰り返し述べている。