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8月1日は「水の日」。水は貴重な財産

2014年7月27日

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国土交通相・水循環政策担当相(公明党衆院議員)太田 昭宏氏
中央大学理工学部教授 山田 正氏


8月1日は「水の日」。貴重な水資源に対する国民の理解と関心を高めるために制定された記念日を前に、公明党が推進した水循環基本法の意義や、水循環の維持に向けた取り組みについて、治水、利水、河川環境などを研究する中央大学理工学部教授の山田正氏と、水循環政策担当相を兼務する太田昭宏国土交通相(公明党)が語り合いました。進行役は2014年度ミス日本「水の天使」の神田れいみさん(大学3年)です。


豊かな水"守る意識を定着 太田 循環基本法は世界の先駆け 山田



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国土交通相・水循環政策担当相(公明党衆院議員)  太田 昭宏氏―まず太田国交相、初代の水循環政策担当相を兼務する抱負を。


太田 水辺で自然に接し、四季折々の水と緑を見ると穏やかな気持ちになります。ところが、水が暴れると台風や津波などの被害を及ぼし、水害にどう対応するかを考えなければなりません。水循環は、水が蒸発して雨が降って海に流れます。それぞれの過程でバランスをとっている。豊かな水を大切にする意識を、国民に定着させなければならない。やるべきことの多い担当相だと思います。


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中央大学理工学部教授  山田 正氏―水循環の課題は何でしょうか。


水循環のイメージ山田 さまざまな見方があります。江戸時代には、山奥にいる人が材木やお米を下流の人に運ぶために川を使い、物流面を支えていました。しかし今の時代は、河川の流域(を一体で管理する)という概念が分からなくなっています。東京の隅田川を流れる水も(埼玉県などを流れる)荒川や利根川から来ていて、多くの関係機関や自治体が管理に携わっていることは国民に広く知られているわけではありません。


太田 地形的に見ると、日本では大きな河川でも、山に降った雨が海に流れるまでにわずか2日や3日しかかかりません。


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山田 そうですね。日本で雨が降ったら数日で海に流れますが、中国や欧州などの大陸で雨が降ればそうはいきません。1993年、米国のミシシッピ川流域が大雨で大氾濫した際には(広大な地域が)3カ月ほど水浸しでした。日本で降った雨を蓄えることも考える必要があります。


―日本では水道の蛇口からきれいな水が出て生活に困ることはありません。


太田 例えば、東京の水を飲めばおいしく、うがいにも塩素の量が適度で非常にいいらしいですよ。水道水を飲める国は少ないですよね。


山田 私の経験から見て世界で7カ国しかありません。米国でさえ、いつも飲めるわけではなく、大雨になれば水道の蛇口から茶色い水が出るところがたくさんあります。私の大学には中国からの女子留学生が在学していますが、一緒に食事をすると彼女たちは野菜サラダを食べません。野菜は水洗いしていますが、その水自体、汚れていると思い込んでしまうそうです。

人が憩う水辺空間に 山田  五輪に向け環境整備 太田



―国は水循環政策に関して、具体的にどのように取り組む予定ですか。


太田 現状、わが国では上水道は厚生労働省、農業用水は農林水産省などと所管がバラバラです。国民の皆さんにあまり知られていないことですが、(水資源を管理・保全していくために)それを総合化・一元化することが大事だと思います。


山田 水循環基本法で期待していることは、水に関する基本的なデータを国がしっかりと管理することです。雨の量、川の水の量、特に地下水をきちんと調査し、どこで何がどうなっているのか、湧き水があったのに今はないといった場所を分かるようにしてほしい。また、東京の神田川では水循環基本法の精神にのっとった「神田川流域水循環再生構想」を立案して、自然の水循環の回復などに重点を置いた対策を進めています。東京を見ただけでもまだまだ課題があり、日本全体でもやるべきことがたくさんあります。


太田 神田川(の水質)は、もっときれいにできると感じています。川沿いも桜並木が並んで、きれいな場所です。これからの高齢社会を考えますと、お年寄りにやさしい水辺公園をつくることも必要ですね。また2020年の東京五輪に向け、外国の人に胸を張って水の豊かな日本、東京を見ていただきたい。


山田 東京の目黒川沿いの桜もきれいですね。ところで、日曜日に日本人がどこで遊んでいるかを調査すると、公園よりも川や水辺で遊んでいる人が多いそうです。ただ、学術的に都内の川を調査していますが、例えば日本橋川には今、コイとボラしかいません。水質汚濁に伴い水中の酸素量が少ないのが要因ですが、水質がもっと改善して魚が増えれば、鳥も来ていい雰囲気になるでしょう。


太田 水は人間の生活の原点であり、水資源を大切にしなければなりません。世界的に気候も変化しており、環境保全も重要な課題です。幅広い分野で、国際的な連携も取っていきたいと思います。


山田 水循環基本法は、研究者の立場から見ても世界に先駆けた素晴らしい法律です。水循環が大事だと言い出しているのは、日本だけです。上流は上流、下流は下流で考えるのが世界の流れで、それはダメと警鐘を鳴らしているのがこの法律です。太田担当相を中心に、法律に基づく政策をしっかりと打ち出していくことを期待しています。


太田 ご指導よろしくお願いします。本日は、ありがとうございました。



やまだ・ただし 中央大学大学院理工学研究科土木工学専攻博士課程中退。北海道大学工学部助教授などを経て、1992年から現職。著書に「水文・水資源ハンドブック」(共著)など。63歳。

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