私の読書録

ライオンのおやつ  小川糸著  ポプラ社
2020/02/14
     

ライオンのおやつ.jpg担当医から自分の人生に残された時間のあまりないことを告げられた海野雫。育てられた父とも別れ、一人暮らしの33歳の女性だ。残された日々を瀬戸内海の島のホスピスで過ごすことを決める。「ライオンの家」と名付けたこのホスピスには、代表のマドンナ、食事担当の狩野姉妹、入所者の粟鳥洲やシスターと呼ばれる女性、おいしいコーヒーを淹れてくれるマスターといわれる男性、有名な人気作詞家だった"先生"、可愛らしい少女・百ちゃん等がいた。雫は最愛の犬・六花やワイン作りに頑張る島の若者・田陽地らと交流し新たな生活が始まった。

単調な「食べる」「寝る」の日々のリズム。しかし、朝の工夫のこらされたお粥や昼のバイキング、夜は一人ひとりにお膳が出され、食べ物のおいしさに開眼したり、穏やかな瀬戸内の海や人の真心ひとつひとつに驚き、彩りを感じる。「生きていてよかった」と生を味わう日々は濃密で新鮮、感動的なものとなった。毎週日曜日には、入居者が人生でもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があり、「おやつ」へのそれぞれの思いが語られる。

「おいしい」「かわいい」「うれしい」「光がまぶしい」「眺めがすばらしい」「今、すごく幸せ」・・・・・・。ひとつひとつの濃度が増していく。怒りが支配していたこれまでの自分たち。下手にあがくことをやめて素直になり、癒やされるように変わっていく。「百獣の王ライオンは敵に襲われる心配がない。他人に気を遣ったり、無理をすることなく、安心して食べたり、寝たりすればいい」――。「なるようにしかならない。百ちゃんの人生も、私の人生も。そのことをたびたび体全体で受け入れて命が尽きるその瞬間まで精一杯生きることが、人生を全うするということなのだろう。まさに百ちゃんは、百ちゃんに与えられた短いけれど濃い人生を全うした」といいつつ、更に「私はまだライオンになんかなりたくない。生きたいよ。もっともっと長生きしたいよ。・・・・・・生きたい、まだ死にたくない、という気持ちを素直に認めてあげたら、心が軽くなった。それは自分でも予想していなかった自分自身の変化だった」「なんて味わい深い人生だったのだろう」「感謝の気持ちが、私の中で春の嵐のように吹き荒れていた」と語る。


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