私の読書録

グッドバイ  朝井まかて著  朝日新聞出版
2020/03/27
     

グッドバイ.jpg時は幕末から明治の大激動期――。長崎の油商・大浦屋を継いだ女あるじ・お希以、のちの大浦慶。黒船来航で激震が走る日本。安価な油が広がって老舗の経営も厳しくなるなか、一発勝負の異国との茶葉交易に打って出る。茶葉には全くの素人、"女性"というだけで侮られる商人の世界。しかし、お希以は佐賀嬉野の茶葉と連携、イギリスの若き商人ヲルトから大量の注文をもらい、巨万の富をつかむ。幕末の動乱期の長崎には坂本龍馬や近藤長次郎、大隈重信、岩崎弥太郎、イギリス商人のガラバア(グラバー)ら、回天・革新の空気が充満する。胆がすわり、一直線に進む大浦慶は商人として信頼され、志士に対して資金面で手助けもする。「おなごが国事にかかわって何が悪かか」・・・・・・。しかし、明治となり、詐欺事件に巻き込まれて全てを失い巨額の借金を背負い込む。長崎中から嗤われる。「逃げようとは思わない。『今こそ私の正念場、戦たい』雨の中で、大声を発していた」――。縁あって"横浜製鉄所"の乗り出し再起する。「鉄製蒸気船」まで所有する。一直線というか、根性というか、情熱というか、女性の逞しさと強さが噴出する。凄い。

苦境に陥っても次に進む。敗北しても次に進む。「ああ、よかね。皆を乗せて、大海原に漕ぎ出そう。宗次郎しゃん、友助。空も海も、どこまでも青かね。ほら波濤が白く輝いとうよ。あんたがたにこの景色を捧げて、私はようやく心から告げよう。グッドバイ」「人生なるもの、人との縁こそが風であり、帆であると思ったりする」「野心や見栄や恨みつらみ、悔いも山と抱えて、今、何をし遂げたかと己に問えば、まだ途半ばだとしか言えぬだろう。なれど、生きている間は精一杯を尽くすとよ」・・・・・・。そして本書は「遠くで海の音が鳴る。今日もまた、誰かが漕ぎ出すのだろう。遥けき世界へと」と結んでいる。


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