日本の直面している論点は、たしかに、じつは根がもっと深い日本の難点だ。
「昨今の日本社会のどこがダメなのか。
家族の包括性、地域の包摂性、宗教の包摂性が低下している。社会的包摂を伴った社会をどうつくるか。新たな相互扶助の関係性を、どう構築し、維持していくのか。
大きな社会の樹立ということになる」――
この本には「勘違い」「日本のどこがダメなのか」「薄っぺらくなった社会」「ポピュリズムの横行」そしてそれらを「現代とは社会の底が抜けた時代である」というキーワードでくくっている。それは当然「人間関係」「若者論・教育論」「幸福論」となる。
私もそうした問題意識が常によぎりながら、難題と格闘している。
論点は本当に難点だ。
エネルギッシュで、走り回り、智慧を出す、文字どおり経営者の行動と頭脳だ。3つある。
1つは、売れている時の営業マンのこと。お客の注文の取り次ぎではダメ。拡大へ向けて、ハートをつかんでいく踏み込みが大切との指摘だ。
2つは、とにかくムダをなくす、コストダウンへの執念だ。いったん規則ができると、それに従うのは「大企業病」だというが、役所もそうだ。クルマは1台あたり1万から3万の部品からなる。1円を削れば、1万円から3万円がうく。ムダを削る、民間の苦労だ。いかに「小さく」「少なく」「軽く」「短く」「美しく」するかの工場監査はすごい。
3つめは、小野浩孝専務のことだ。鈴木修さんにとって、大変なショックだったが、私も役人時代からひときわ親しくしていたので、写真を見て涙がこみあげた。
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