悪と日本人.jpg これも日本人論、日本文化論。しかし、宗教の側から専門の宗教学者・山折さんが、とくに「悪と日本人」という形で提起しているのは重要だ。キリスト教的二元論「善人と悪人が存在する」――。それを超えようと無垢なる人間を幻想するニーチェのいう「善悪の彼岸(仏教)」、親鸞の「教行信証」における阿闍世王(悪人が無条件に成仏できるといっていない)、弟子唯円の「歎異抄」における悪人正機説、「日本人が死に臨んで歌を詠むことに短歌的叙情のなかにすべてを溶かし込むとは、つまり論理的に善悪の問題を追及する態度をそこで放棄したこと」と

山折さんは語り、ルサンチマンを緩和する装置が日本の伝統的社会にあるとする(敵の霊魂を放置せず祀るなど)。そしてその奥底には日本人の仏教観に「無常観」「浄土観」「空」「無」の四つの命題が絡まり合っているという。


太田あきひろです。
寒い日が続きます。回っているとさまざまな発言に出会います。
「ミステリアスでアンビリーバブル(訳のわからない、信じられない)な日本の民主政権と、世界では皆言っている。
怒っているのはアメリカだけではないことを日本では分かっていない」(経済界の人)「"ひどい政治ですね"という言葉が、まず会話・挨拶の最初の言葉になっている。ここまでひどいとは思っていなかった」
やっと来年度予算が決まりました。「衆院選における公約を果たさず」「財源を示すことができず」「結局、増税や単年度限りの財源を使うことしかできず」という予算組みです。水ぶくれで、結局、財源を見つけることができなかった「ギブアップ予算」となっています。

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昭和史1926-1945.jpg「幕末史」の方を先に読んだが、「決断」がどのようにして行われ、敗戦にまで至ったか。
止める機会はいくつもあったのに、時流に流されマスコミにあおられ、強硬論を抑えられず行ってしまった昭和史。米内光政や山本五十六。昭和天皇。そして、近衛文麿等の盧溝橋(第一次)と三国同盟(第二次)・・・・・・。「政治的指導者も軍事的指導者も、日本をリードしてきた人々は、なんと根拠なき自己過信に陥っていたことか・・・・・・
なんとどこにも根拠がないのに『大丈夫、勝てる』だの・・・・・・」と半藤さんは現代の教訓を語っている。


食堂かたつむり.jpg全てを失って、飛び出したふるさとに戻る主人公(倫子)が、メニューのない食堂を始める。客は一日一組だけ。心と心がふれあい、人生の深みを増す。
読み進むとだんだんと、いい人に囲まれ、心のある人々の真実にふれて、心の底にじんわりと心地よいものが迫ってくる。来年、柴咲コウ主演で映画化されるそうだ。


差別と日本人.jpg重いテーマだが、辛さんの切り込み、野中さんがそれを飲み込みつつ、政治のリアリズム、実践者として揺るがぬ姿勢を落ち着いて語る。
「部落とは」「在日とは」「差別とは」だけでなく、テーマは多岐にわたるが、野中さんの後で伴走してきたような自分だけに、あの時、この時を振り返りつつ思いをめぐらした。辛さんは「糾弾ではなく被差別者の側の個人の努力で差別と闘う野中氏の姿勢」というが、本書の最後では2人が、角度を異にしながらも心が融け合う。

弱者の側、差別される側、困り苦しんでいる人と同苦し、身体をはって扉を開く戦いは、心に沈潜した怒りや悲しみの深さなくして成しうるものではない。自分の子どもの頃からのことを思い浮かべつつ、この10数年の闘争を振り返りつつ、一気に読んだ。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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