今こそ改革、そしてこの未曾有の1年の不況を乗り越え新しいスタートが切られるかどうか、そこに凄い時代が始まるかどうかのカギがあるという。堺屋さんの主張の全体の底流には「すべての根源は知価革命にある」が基調音のように流れている。知価革命の日米などの国々と、「物財の豊かさ」を追う近代工業社会への国々との凸凹の構造、しかもそれが水平分業ではなく、工程分業となっていることを示している。
国際金融・ペーパーマネー体制(失敗を繰り返さない為には規制強化ではなく、金融に節度と理性、モノとカネの自由・迅速な流動を)、小泉改革(誤りではなく、賛成だが、ケインズ政策の否定と新たな産業と社会環境を生みだす成長戦略への手が打たれなかった)、知価革命(これからは規制・統制などの官僚主導とモノ造り依存を捨て、医療・介護・教育・保育・歩いて暮らせる街づくりなどの都市運営・農業などに力を注ぐことが大切)、過剰消費も知価革命が背景、都市の構造もコミュニティのあり方も、家族状況も、近代工業社会と知価社会では決定的に変化していること・・・・・・・。
毎年のように堺屋さんは指摘し続けているが、とくに本書には力業を感ずる。
私も「勝負は2011年」、この2,3年がとくに大事だと思う。