「ファンサービスが足りない」
「取材も受けない」
「媚びない、はしゃがない、人目を気にしない」
「嫌われても筋を通す」
「誤解されても言い訳はしない」
――批判されようが、「俺は勝つことだけが唯一の仕事」「自分は人気商売じゃなくて"数字商売"」と徹して動く。 不気味さが武器の落合。超合理主義の落合。
他人を気にし、テレビや雑誌でいうことをうのみにし(食でさえも自分で判断できなくなってしまった)、幼稚化する日本人。文化や政治までもどんどん大衆迎合になって、独創性や創造力が低下する一方の二流国に転落するたむろする日本。
これを打開するのが「落合力」、落合の生き方だ。そう、熱烈な長嶋信者・テリー伊藤さんが寡黙にして勝負して勝つ落合を絶賛する。野球を超えて混迷日本の打開がテーマになっている。
宇宙の解明は、全く新しい段階に突入したようである。衝撃的だ。
宇宙は何でできているのか――長い間、科学者達が挑んできた課題。今は高性能の望遠鏡のおかげで、はるか遠く、何億光年という光の星まで観測できる。
「アインシュタインの望遠鏡」というのは、これらの望遠鏡とは全く異なり、一般相対性理論――空間と時間はあらゆる質量によって曲げられる――をもとに、「重力」がつくる望遠鏡である。
いわば、宇宙そのものを望遠鏡として使うのである。この重力レンズによって視野の限界は打ち破られ、かつて見ることのできなかった宇宙の暗い領域が明らかになる。
10年ほど前、宇宙物理学は、ダークマター、ダークエネルギーという存在を発見した。
78年の初版だから30年もたつ。新装版が今年出たということでいただいて、本当に久し振りに伊藤肇さんの哲学に出会った。
「闘病と浪人と投獄の三つの段階を通って実業人として完成する」という松永安左エ門さんの名言を受け、苦難・風雪のなかで人間が鍛えられるという書だ。
「自分の生のみすぼらしさ、つたなさがあわれでならなかった」という川端康成の言。
「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候。死ぬる時節には死ぬるがよく候」「縁ニ随ッテシバラク従容ス」という良寛の言。
「あがり(相場)さがりの十年間の辛抱のできる人が、すなわち大豪傑だ」「ヤセ我慢を張り通せ」という勝海舟や松永安左エ門の言。
「風車 風が吹くまで 昼寝かな」の広田弘毅。「今が最悪だといえるときはまだ最悪ではない」というシェークスピア。
この本の副題には「嵐の中でも時間はたつ」とある。私は、究極の人間哲学は師弟だと思う。