2035年には世界的に多くの人がAIとロボットの進化によって、職を失うことになる。ロボットは仕事を奪っていくが、医療・介護・各種サービス・インフラ整備をはじめ人手不足を補うとともに、生産がボトルネックとなって急に"仕事消滅"にはならないが、AIは違う。人類を超える汎用的でかつ世界最高レベルの頭脳が開発されれば、数十分でデジタルコピーができる。ゆえに、本当に心配すべきは肉体労働の仕事ではなく頭脳労働の仕事であり、2030年代以降、急速度に"仕事消滅"が進む。"ディープラーニング"というAI分野のブレークスルーで、今、50年来の大ジャンプが起きたという。AI上司の下で働く時代はそう遠くない。
"仕事消滅"の大変化は、2025年自動運転車の登場によってタクシーやトラックドライバーの仕事が世界中で消えていくことが幕開けとなる。
大失業時代という災厄ではなく、幸せの転機にするにはどうしたらいいのか。「働くロボットに人間と同等の給料を支払うという社会ルールを作る」「ロボットの給料を国に支払う」という解決策が示される。ロボットで稼いだお金は、経済発展の中で、全国民が受け取るベーシック・インカムにするという考え方だ。そして「今世紀の人類は、AIやロボットと共存し、仕事を分担しながら働いた方が、最大多数の最大幸福という意味で、一番いい」という。「AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること」が副題だ。
28日、東京北区西が丘にある「味の素ナショナルトレーニングセンター」(NTC)が開設して10年を迎え、センター内で10周年の記念式典・祝賀会が行われました。これには公明党から富田茂之、浮島智子、佐藤英道の各衆院議員、公益財団法人日本体育協会の伊藤雅俊会長、公益財団法人日本レスリング協会の福田富昭会長(初代NTCセンター長)、NTCの山下泰裕センター長をはじめ多くの関係者が出席しました。
私は、2001年完成の国立スポーツ科学センター、2007年のNTCの建設を強く推進してきましたが、現在、拡充棟(第二トレセン)の工事が行われています。これらはパラリンピック選手も使用できる施設です。2019年5月に完成の予定です。
私は挨拶で、「10年前の開設時にテープカットをしたことを思い起こす。この10年、アスリート強化に最も貢献した施設だ」と感慨をもって話しました。
2020年東京オリパラに向け、最重要の施設であり、更なる充実に力を注いでまいります。
「珍説トンデモ説は、いちいち批判せずに黙殺すべきだ」――これが日本史学界の共通認識だが、無関心を決め込めば、陰謀論やトンデモ説は生き続ける。「誰かが猫の首に鈴をつけなければならない」と本書を著した理由を語る。陰謀論は人気があるが、「因果関係の単純明快すぎる説明」「憶測や想像で話を作る"論理の飛躍"」「結果から逆行して原因を引きだす(結果からの逆算)」「挙証責任を批判者側に転嫁」などの特徴をもつ。面白いが危い。歴史は過去も現在も複雑な営みのなかで刻まれ、単純ではない。文献も「勝者の歴史」となり偽書も多い。しかし、歴史学の実証的な手法に則って進み、「人びとが陰謀論への耐性をつける一助に」と、日本中世史を整理・分析、そして陰謀論・俗説を斬る。情報社会の現代にも通じ、警鐘を鳴らす。
「保元の乱を起こしたのは崇徳側ではなく、国家権力を掌握していた後白河側」「義経は陰謀の犠牲者ではなく、義経の権力は砂上の楼閣だった」「後醍醐天皇は黒幕でなく被害者だった」「足利尊氏の挙兵は自衛行動であり、積極的主体的に後醍醐を裏切ったわけではない」「応仁の乱の元凶とされた日野富子はスケープゴート」「本能寺の変に黒幕はいない。突発的な単独犯行。騙されやすかった信長と、秀吉の"理外の理"の行動」「関ヶ原は家康の陰謀ではなく、上方での大規模蜂起は想定外で絶体絶命の危機に陥った」・・・・・・。
そして「虚々実々の謀略戦はフィクションとしては面白いが、現実の歴史とは異なる。勝負というものは、双方が多くの過ちを犯し、より過ちが少ない方が勝利するのである」という。
武士の府を守る――頼朝は、自ら開いた鎌倉府を守り抜く修羅の人となる。義経、範頼らの異母弟、奥州藤原氏、安田義定ら有力御家人等々を次から次へと葬っていく。尋常ではない猜疑心の背景には、鎌倉府を分裂させようと謀る朝廷との暗闘、内には功名を争う油断ならない権力争覇の策謀があった。頼朝の孤独と衰え、それを支えた北条政子。
承久3年(1221年)、朝廷との戦いに出陣する北条義時・御家人たちを前に政子は凛として叫ぶ。「今は亡き武衛様は囚われの身から平家を斃し、ここ鎌倉の地に武士の府を開きました。都で安逸を貪る公家たちに、作物の大半を取り上げられてきたそなたらのために、武衛様は人が成し得ぬほどの難事をやり遂げたのです」「今こそ報恩の志をもって上洛し、非義の綸旨、不法の院宣を掲げる逆臣どもを平らげよ!」「すぐにでも都に上り、朝廷に巣くう君側の奸を取り除き、宸襟を安んじ奉るのだ!」――。そして、「政子は、頼朝の創り上げた武士の府を守り切ったという充足感と、女として一人の子さえ育て上げられなかったという悔恨の念を抱いていた」と、その心情を描く。公明新聞に好評連載された力作。