ドキュメント  湊かなえ著.jpg「ブロードキャスト」に続く高校部活シリーズ第2弾。中学時代に陸上部に所属していた町田圭祐。駅伝で全国大会をめざしていたが県大会で僅差で敗れた。エースの山岸良太が出れなかったのだ。二人は陸上の強豪校である青海学院高校に進むが、圭祐は入学直前に交通事故に遭い、同じ中学出身の宮本正也に誘われ放送部に入部する。3年生が引退後、圭祐は2年生4人(白井律部長、蒼、黒田、翠)と同期の正也、久米さんと共に、全国大会めざし、テレビドキュメント部門の題材として「陸上部の活動」をやろうとして、ドローンまで使って撮影に入る。ところがこのドローン動画の中に、火のついた煙草を持って部室から出てくる親友・良太の姿が映り、驚愕する。「そんな良太ではない」「誰かが、良太を、陸上部を貶めようとしたのか」――放送部のそれぞれの人間関係の裏の姿が明らかになっていく。

コロナ禍で十分な部活ができない。新入生が入ってこない。オンラインだけでは本当の人間の接触ができない。練習も指導も友情も中途半端になることを読後に現在の日本を思いハッとする。高校時代は青春まっただなか。社会や友人との出会いのインパクトの強さ。本書の事件も「悪」というより純粋な「ひたむきさ」を感じさせる。

放送部が撮ろうとした映像。撮られたくない者もいる。映像が一人歩きしたり、悪用されるこのSNS社会のデリケートさと各個人の思惑。「伝える」ということがいかに難しいか。こちらの善意の思い込みが、他の人には善意や正義の押し付けになったりもする。青春時代はそんな未熟さが魅力でもあるし、思わぬ刃ともなる。「どうして俺はレンズのこちら側にいるのだろう」と圭祐はつぶやくが、その通り、人生には悔恨もあれば希望を見出そうとする意志もある。


1623890396653.jpg16日、第204回通常国会が閉会しました。

今国会では、最も重要となるコロナ対策のほか、デジタル社会やグリーン社会への対応策、少子化対策など、中長期的な課題にも対応する2021年度予算(一般会計総額106兆6097億円)が成立しました。加えて、コロナの感染防止、ワクチン接種の加速、生活支援や、企業・事業主支援、医療支援等を行う2020年度第三次補正予算を成立させました。

法案では、閣法を63本提出のうち、61本が成立。まん延防止等重点措置を設ける特措法改正、デジタル庁創設を柱とするデジタル改革関連法、流域治水対策関連法、安全保障上のための重要土地規制法などの重要法案、国民投票法や、わいせつ教員対策法なども成立しました。予算も法案も、公明党の主張が多く盛り込まれています。

閉幕後、菅首相から御礼の表敬を受けました。

いよいよ都議選――。勝利めざして頑張ります。そして衆院選です。


民衆暴力.jpg「一揆・暴動・虐殺の日本近代」が副題。日本近代には、現代では考えられないほど激しい民衆の暴動があったが、民衆が法や規範を突き抜けて何故にそのような状態がつくり出されたのか。「権力に対抗する民衆」と「被差別者を迫害する民衆」とは別の民衆のように思われるが、なぜ2つが同居するような暴動となったのか。民衆を暴動・虐殺にまで走らせた背景には、どのような不満・恐怖のマグマがあったのか。本書は「新政反対一揆(明治初期)」「秩父事件(1884年)」「日比谷焼き打ち事件(1905年)」「関東大震災時の朝鮮人虐殺(1923年)」の4つの事件を取り上げ、「事件の時代背景」「民衆暴力と国家の暴力の関係」「権力への暴力と被差別者への暴力の関係」等を抉り出す。

よく語られる江戸時代の「百姓一揆」――。それは暴力的でも非合法でもなく、「仁政イデオロギー」と「百姓一揆の作法」に基づいていた。幕末の「世直し一揆」は、領主権力への訴えという要素は薄く、豪農商層に対する制裁行動が中心だった。そして明治初期の「新政反対一揆」――廃藩置県・徴兵令・学制・賤民廃止令・地租改正など明治新政府の一連の政策に対して起きた一揆。廃藩置県の衝撃は勿論だが、学校制度も農作業の働き手の子どもを失うことや教育費の問題もあった。裸体や半身を出して道路を歩かないようにというような生活様式の変化、"黒人"への脅威、被差別部落や「穢多」の廃止と反発・・・・・・。強烈な解放願望が生まれていたのに、新政府は生活を楽にしてくれず、むしろこれまでの生活を脅かす存在だったことに対して、人々は痙攣的な拒絶を見せたのだ。

1884年の秩父事件――。「困民党」「貧民党」と呼ばれた秩父地方の農民が決起し、高利貸への放火、郡役所、裁判所、警察署などを襲撃。暴動は隣県にまで広がった。背景には「松方デフレ」「自由民権運動の展開」があった。1905年の日比谷焼き打ち事件――。ポーツマス条約調印に際して、条約破棄を求める国民大会(政治集会)が日比谷公園で開かれ(2~3万人)、大会終了後に警官と衝突。大会参加者だけでなく、参加してない者も加わって何区にもわたって派出所・警察署・キリスト教会の破壊・放火が連鎖した。ナショナリズムの昂揚だけでなく、自らの身内が死傷したのに賠償金も取れないという厭戦気分、馬鹿らしさが広がっていたという。暴動参加者には東京に出てきた次男・三男の工場労働者(社会的な評価が低かった)が多く、その「男らしさ」「噴火熱」「警察権力への敵視」があったと指摘する。

関東大震災時の朝鮮人虐殺――。「戒厳令」の施行は、あたかも「朝鮮人が暴動を起こす」かのような流言をもたらし、軍隊・警察・民衆(自警団等)から朝鮮人殺害のためらいを払拭させたという。その酷さたるやあまりの狂気だ。「暴力という、日頃抑圧されている行動に一歩踏み出すと、・・・・・・日常には明確に意識されていない願望や行動が噴出する。それは自らの生活を脅かす権力への暴力行使となる時もあれば、被差別部落や朝鮮人への残虐行為となることもあった」とし、民衆暴力が「国家と民衆」「民衆の内部」の権力関係に渾然一体となって表われることを指摘する。


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都議選の投票日まであと20日ーー。13日、北多摩3区 (調布市、狛江市)の中島よしお都議選予定候補の時局講演会に出席。また、豊島区の長橋けい一都議とともに街頭演説を行いました。

中島よしお都議は、都政の政策実現の要となる存在。この4年間も多摩川の洪水防止、支流の野川の掘削、さらに味の素スタジアムへの道路の拡幅などを次々実現。コロナ接種でも調布市ではインターネットの利用、狛江市ではLINEアカウントにより接種受付を加速、また狛江市では障がい者と介護者に、500円のタクシー運賃を支援などの実績を報告し、勝利への決意を力強く訴えました。

豊島区の長橋けい一都議は、豊島区が文化・芸術都市へと大きく変貌。JR大塚駅の北口整備などまちづくりを推進したほか、空室を利用した保育所の設置等により待機児童を0に導いたと報告しました。

まさに「政治は結果」「政治家は仕事をするのが役割」の本格派の2人です。私は「仕事をする公明党」への支援を訴えました。


鬼哭の銃弾.jpg東京・府中市内の多摩川の河川敷で発砲事件が発生。弾丸を調べたところ22年前に府中市で起きたスーパー「いちまつ」強盗殺人事件(店員3人が射殺)に使用された拳銃の線条痕と酷似していることがわかった。迷宮入り事件の捜査が一気に動き出す。発砲事件といちまつ殺人事件の関連捜査を命じられた警視庁捜査一課の刑事・日向直幸。じつは22年前の事件は、日向直幸の父、ケタ外れの鬼刑事の日向繁が担当した事件だった。しかも父・繁は、捜査にのめり込み、妻子に激しいDVを働き、家庭を崩壊させた男でもあった。母は若くして死亡、直幸は父を憎み続け、10年も全くの音信不通だった。

捜査を進めると、父・繁だけは警視庁をやめたあとも、常軌を逸した執念をもってこの事件を追い続けていたことが判明する。父子ともに人生を狂わせた事件の黒幕を追い詰めていく。通常は"愛憎の父子"というところだが、殴り合いの"憎"ばかりが目立つ警官親子の、執念と復讐の凶悪のサスペンス。「鬼哭」とは「鬼が哭く」、死人の霊魂が恨めしさに泣くこと。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任、公明党前代表。元国土交通大臣、元水循環担当大臣。

現在、衆議院議員、党全国議員団会議議長、東京第12総支部長、首都直下地震対策本部総合本部長、現代中国研究会顧問など。

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