拡充される高校生等奨学給付金.jpg

「高校生等奨学給付金」の追加支給が決定――。コロナ禍で生活が困窮する世帯の高校生を支えるため、住民税非課税世帯を対象とする「高校生等奨学給付金」の追加支給を行なうことが決まりました。先日、成立した2020年度第3次補正予算に盛り込まれ、給付額は最大26100(第1子)2021年度については追加給付額(年額)と同額を引き上げる方針で、来年度予算案に計上しています。公明党として強く推進したものです。

この給付金は、授業料以外の教育費(教材費など)に使える支援制度。追加の給付額は、オンライン学習に必要な通信費相当額で、国公立、私立ともに全日制・定時制の場合、第1子で26100円、15歳以上23歳未満の兄弟姉妹がいる第2子以降で1人当たり12000円です。通信制・専攻科は12000円となります。全国約40万人の高校生が対象です。

コロナ禍で大変な家庭も多く、「生活支援」をしっかりやっていきます。


国難の商人 白石正一郎の明治維新.jpg幕末の豪商志士、尊攘運動家、一商人の枠を超え尊攘思想を深く理解し、志士たちを物心両面からつきっきりで世話をし、支援してきた白石正一郎。下関の荷受問屋「小倉屋」の八代目当主。白石邸は維新運動に奔走した尊攘志士の拠点であり、宿泊した志士は400人にも及ぶ。西郷隆盛、高杉晋作、平野國臣らを支え、「白石正一郎、白石邸がなければ明治維新は遅れていた」「奇兵隊は高杉晋作が構想を立て、白石正一郎が魂を入れた。白石正一郎は、高杉晋作にその生命を賭けた」。しかも、家業が傾き、借金に苦しみながらも支援を続け、維新後は名誉栄達を求めず、散った志士たちの慰霊・顕彰に専念したという。筋金入りの "愛国の覚悟"が伝わってくる。

まず、長州、そして下関という位置と白石正一郎だ。この地は地勢的にも情報の集約地、交差点であり、しかも欧米列強とぶつかった舞台であり、幕末から維新の歴史的出来事が集約された地であった。その拠点となったのが、白石邸であった。この地に白石正一郎という人物がいたことは、まさに宿命的。高杉晋作の奇兵隊、七卿の都落ちも、倒幕への転換も、この地この人あってのことだろう。

もう一つ、「あれほど維新に貢献した白石が、新政府樹立後に中央の東京に出ていかなかった」「名誉栄達よりも志士たちの慰霊・顕彰に専念した」ことだ。そこには、「明治政府の正体、明治維新というものへの不信感」「勤王を志し、王政復古に至るまで私財を投げ出したのは、功名心や己の利益ではない。ひたむきな勤王心の砦があった」「私財をなげうって支えた平野國臣、高杉晋作が死に、西郷隆盛も後に城山で自死する」・・・・・・。心中に横溢する維新へと突き動かした猛きナショナリズム、精神のもつ違和感はどうしようもないものだったのだろうか。


幹事長会談.jpg

29日、新型コロナ対策特別措置法と感染症法の改正案が衆院本会議で審議入りしました。対策をより実効性のあるものにすべく、飲食店の(営業)時間短縮や効果的な財政支援を図ること等を盛り込み、命令に応じない場合は、事業者への過料を定めること等のものです。

28日、自民・立民の幹事長会談で、修正を合意。その直前に自民・公明の幹事長会談でも、その内容を合意しています。内容は「感染症法改正案の刑事罰(前科がつく)は厳しすぎるので撤回し、入院に応じない感染者への懲役は削除し、罰金は行政罰の過料にする」「特措法改正案等の違反した事業者への過料を減額する」「『蔓延防止等重点措置』を講じる際は国会報告する(国会の関与)」等にしたもので、公明党としての主張が入っています。

29日からの国会審議で、より詳細、具体的な要件や手順などを詰めていくことになります。29日の衆院本会議では公明党として高木美智代衆院議員が質問に立ちました。コロナ対策、医療支援、ワクチン接種、生活者支援、企業・事業主支援に全力をあげます。


鏡の中のアメリカ.jpg「分断社会に映る日本の自画像」が副題。2019年8月から1か月強、先崎さんはアメリカに滞在する。サンフランシスコからワシントンDCに飛び、帰りは東海岸から西海岸までぶっ通しで大陸横断鉄道に乗っての旅。明治維新時の岩倉使節団、そして昭和の敗戦とその後、先人はアメリカに何を見ていたのか。そして今の分断社会アメリカ・・・・・・。この150年、アメリカ文明を追い、今、価値を共有してきたかのようなアメリカ自体が、"分断国家"としての苦闇も抱え変質している。憧憬と翻弄のアンビバレンツの日米を今、「僕という鏡に映ったアメリカ」として描く。ヘレン・ミアーズの「アメリカの鏡・日本」を思いつつ、より長期の150年の日米を、そして日本と日本人を考える。

「翻弄され続けた150年」は事実だが、「ズレ」「きしみ」が自覚されているかといえば、人によってその濃淡は著しい。岩倉使節団――驚きは同居しても伊藤博文・森有礼の楽観的に見える「開国」と、久米邦武が描く「開国」とは全く異なり、久米は「壁」を実感する。久米の「米欧回覧実記」も、福澤諭吉の「文明論之概略」「西洋事情」も政治制度から生活・食事マナーに至るまで「具体的」だ。そしてその一つ一つに、固有の国家形成への歩みの違いを感じたのだ。1900年前後の西欧文明受容のなかに「日本人とは何か」を突き詰めて考え、世界に発信した内村鑑三、新渡戸稲造、岡倉天心、牧口常三郎・・・・・・。そして本書に出てくる戦後の昭和30年代の江藤淳「アメリカと私」や山崎正和「このアメリカ」・・・・・・。「つかの間の秩序維持こそが『大人』の仕事であり、常にマイナスをゼロに戻すこと、自分以外の存在が気づかずに歩いて通る道を舗装しているような作業を黙って続けることこそ、保守の定義である」という。

日米の「国家」に対する考え方も大いに異なる。「戦争」「敗北」から国家を嫌悪する傾向にある日本。あらゆる人種を受け入れ、「分裂するアイデンティティを唯一のアイデンティティとする人工性の高い国・アメリカ」「星条旗による移民族と広い国土の統合・アメリカ」とは全く違う。そのアメリカが今、移民を拒み、分断され、自己否定に陥り、自分で自分を壊す方向に進んでいる。先崎さんはかつて「分断社会と道徳の必要性」のシンポジウムで日本代表として発言する。「フィッテインジャー氏は、人間は家族、国家、そして教会に所属してこそ幸福を得られることを強調した。現代社会がここまで分断と孤立化を深めたのは、僕らが自由を"個人の選択できる権利"だと勘違いしたことにあるといっている。終始、国家、教会への所属を自分の好みの問題、共同体への所属は出入り自由だと考えてきたのが、僕らの時代である」という。「なぜ、疲弊するアメリカの真似をこれ以上日本はするのだ」と、ドック教授との対話のなかで考える。

「アメリカも日本も今、独自の文化を自分自身で失いかけている」「グローバル化は日本人から独自の文化である、寛容や忍耐を奪ってきたことに気付く」「欧米が常に最先端であり、正解を用意してくれる国家ではない。そこに疑問を感じ、自己とは何かを問う思想家になるか否か」・・・・・・。物乞いがいて、貧困と格差、銃撃戦が日常的にあり、その一方でGAFAが世界をリードするアメリカ。12.8と12.7と開戦がズレる日本とアメリカ。短期のアメリカの旅のなかで先崎さんの問いは根源的で重い。


野良犬の値段.jpgまことに不思議な誘拐事件が起きた。誘拐され人質になったのは会社の社長でもなければ金持ちの息子でも娘でもない。なんとホームレス。それも6人も揃ってだ。電話での脅迫ではなく、「誘拐サイト」を立ち上げて。しかもその相手は、名だたるメディア4社。

当初は、たんなるイタズラ、愉快犯の仕業と思われた。しかし、要求を飲まない場合は「人質を殺す」と脅し、その通り、渋谷に一人の人質の"首"が晒される。世論は緊張の度を増し、ツイート数は急増する。そして、2人目の殺人が続き、名指しされたメディア、警察は翻弄される。ネットを中心とした世論も、誘拐犯やメディアの印象操作、心理戦によって揺さぶられ変化していく。"潮目"の見きわめ――現代ネット社会の危うさ、脆弱性が、このネットを通じての"劇場型"誘拐事件として鮮烈に描かれる。犯人はいったい何を狙っているのか。

皮肉や風刺もエッジがきいている。正義を装う"偽善的論調"、ネット社会の暴走と脆弱性、キャッチフレーズ社会の浅薄さ・・・・・・。弱者に追い打ちをかける現代格差社会の矛盾と怒りが、"ホームレス"を題材として問題提起される。"野良犬の値段"だ。すでに始まっている新たなネット社会の負の断面を鮮やかに描いた傑作。

<<前の5件

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任、公明党前代表。元国土交通大臣、元水循環担当大臣。

現在、衆議院議員、党全国議員団会議議長、東京第12総支部長、首都直下地震対策本部総合本部長、現代中国研究会顧問など。

太田あきひろホームページへ

カテゴリ一覧

最新記事一覧

月別アーカイブ

上へ