20110128-book.JPG「徹底討論」財政危機をどう乗り越えるか――と副題にあるが、もっと広範な討論となっている。財政の危機、税制、社会保障、そして政府の役割りまで論じら れている。共通の考え方であるゆえに、激論というより、論点の整理と、方向を提起している。そして竹中さんが、政府の中に入って仕事をしていただけに、た んなる学者の提起を越えている。

  短期的にはデフレ脱却、プライマリー・バランスの黒字化への進捗、それに金融政策。中長期的には、最も本質的な成長力を高める、日本の経済自体を強くする こと(法人税引下げ、とくに規制緩和)そして社会保障改革(鈴木亘さん)、労働市場改革(池田さん)。財政、財政学の土居さんを加えて、いわゆる論文では ないだけに、率直な語らいとなっている。


 太田あきひろです。
 阪神・淡路大震災から16年。「備えあれば憂いなし」といいますが、大地震への対策はより強化しなければなりません。私は京大時代は耐震工学を専攻。この16年、「安心・安全の街づくり」「防災対策」は政治活動の柱の一つでした。
 
 16年前は、震度計の全国配備も不十分――それを飛躍的に拡大させ、観測体制を強化しました。学校の耐震化は今は誰もいうようになりましたが、当初は何パーセントできているのかの調査すらなく、調べあげて40%水準。それを予算・補正予算で公明党が常に主張して今、70%のところまで来ました。首都直下地震への対応、また被災者生活再建支援制度の拡充で被災者を救うことができるようにしたなど、この16年は大地震や大災害対策などを飛躍的に高めました。救命ライフラインという概念を国に導入させたのも戦いでした。
 
 世界的に地震の活動期に入っています。首都直下をはじめ日本の地震対策を更に強化しなくてはなりません。しっかり頑張ります。


 太田あきひろです。

 通常国会が始まり、菅首相の施政方針演説が行われ、「社会保障と税の一体改革」など与野党協議が述べられました。しかし、昨日と今日、諸会合に出席しましたが、現場の空気は厳しく、「デフレ下の増税路線ではなく、やるべきは景気回復優先じゃないか」「マニフェスト違反はひどすぎる。サギだ」「与謝野さんを経済の司令塔にしたというのは、今までの民主党の政策自体が溶けて消えてしまったということではないか」「世界の激動や躍動と日本の内向き姿勢が違いすぎる」などの声があふれました。

 

 熟議とか協議といっても、政権党が自らの具体的方針を示さない限り、議論は進みません。

 

 「信なくば立たず」――ハンドルを握っている政権党の国と国民に対する責任が問われる国会です。

 


20110125-book.JPG  話題の小説。第5回ポプラ社小説大賞受賞作。生と死、死に直面して生は際立つ。とともに生きるということは人の交わり、人を愛するなかに鮮やかさを増す。 哀切かつ峻烈な「命」の物語と解説されているが、まさに実存的世界、ギリギリの異次元のなかで、ピュアな清流を感ずるのは若者の感性のゆえか。生と死・肉 体と生死・臓器移植とテーマはあまりにも重いが、ピュアさとゴツゴツした力みすら感ずる文体に若さの素晴らしさを感じた。


20110121-book.JPG 「年金・医療・介護・育児――借金日本で安心して暮らせるか?」がテーマだ。

  財政危機、そのなかで増大する社会保障費。一般会計の社会保障関係費は28兆を越えるが、大半は社会保険への投入費。それは料金のディスカウント費用にす ぎず、「純債務比率は低いから安心? などということはない」「菅総理のいう強い社会保障などというのはない。また"増税で強い社会保障"では成長しない。公債漬け、補助金漬けでは他産業は成 長しない」「過剰貯蓄の取り崩しでも成長はないし、副作用がある」「成長力を高めるのは、民間の技術革新が大切」「安易で無責任な中福祉・中負担」「北欧 諸国は少子高齢化が終了しつつあり、日本と比較できない」「名目3%、実質2%の政府目標はムリで、年金の想定値である賃金上昇率2.5%、実質成長率 0.8%、物価上昇1%はムリ」――。
  鈴木さんは、年金・医療・介護・育児等に具体的にふれつつ、強い社会保障ではなく安易な公費投入をやめて「身の丈に合った社会保障」を訴える。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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