417vfYI36IL__SX348_BO1,204,203,200_.jpg韓国で高い評価を受けている女性作家のチョン・イヒョンの短編集。繊細で生き生きとした描写力を、微妙な情感を包むかのように訳している。かつての"むき出しの暴力の時代"ではないが、「今は、親切な優しい表情で傷つけあう人々の時代であるらしい」「"優しい暴力"とは、洗練された暴力、行使する人も意識していない暴力だ。それはまた社会に広く行き渡った侮辱の構造の別名である」という。

そこそこの豊かさの時代は、他者への無関心の進行と並走しているようにも思う。社会や他者との間にわかり合えない"違和感"と"孤独感"をイライラのなかで募らせているのが現代かもしれない。「ミス・チョと亀と僕」は都市でひっそりと暮らす主人公と老婦人。亡くなった老婦人から「ちゃんと育ててくれそうだから」と亀を遺産として受けとる。「何でもないこと」は、フライパンのガラスのふたが爆発、製造元に問い合わせるが、淡々と機械的な対応で苛立つ。一方、十代半ばの娘が妊娠・出産する深刻な"事件"も、周りは平然と"何でもないこと"のように進んでいく様子が描かれるが、まさにそれ自体が"優しい暴力の時代"ということだ。「私たちの中の天使」「ずうっと、夏」も、後悔のなかで長く子どもたちを育てていくことや、日本人と韓国人の夫母をもった女性の海外生活の"生きづらさ"などが繊細に表現される。「アンナ」では英語幼稚園になじめない子どもと、温かく接してくれた母親の同窓生アンナの起こした"ヨーグルト騒動"が描かれるが、韓国の英語志向やチョンセという住宅事情の背景が浮き彫りにされる。「夜の大観覧車」「引き出しのなかの家」「三豊百貨店(1995年に起きた百貨店の崩落事故)」も、社会の変化するなかで人々が何らかの苦難に遭遇している様を、じわっと静かに描き出している。


25日、政府は「デジタル庁創設への基本方針」「グリーン成長戦略」をともに発表。未来の国の形に向けての具体的なスタートです。

「デジタル庁」については、来年9月1日に庁を発足させる計画などを盛り込んだ「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」と「デジタル・ガバメント実行計画」を決定しました。これは、公明党が11月に政府に提言した内容が全面的に反映されたものです。政府は、同庁設置に必要な関連法案を来年の通常国会に提出する方針です。

1017255.jpg「改革の基本方針」では、党の提言を踏まえ、「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会」をめざし、「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」を進めていくと明記しました。

デジタル庁は、首相直轄で、各府省への勧告権など強力な権限を持ちます。国の情報システムに関する予算を一括計上し、各府省に配分。国や地方自治体の情報システムを統括し、自治体システムの標準化・共通化やマイナンバー制度の企画立案などを担い、行政サービスの抜本的な向上をめざします。また、医療、教育、防災分野や中小企業などにおける民間のデジタル化も支援します。

「実行計画」では、行政サービスの100%デジタル化や、マイナンバーカード機能のスマートフォンへの搭載、身近なところで相談を受けられる「デジタル活用支援員」の本格実施などが盛り込まれました。

また、「グリーン成長戦略」についても25日に発表。このなかでは、「乗用車の国内新車販売を、30年代半ばまでにガソリンだけで走る車以外の電動車だけにする」「洋上風力発電の推進」「水素利用の推進」などの14分野で工程表を作成しています。これら脱炭素を総動員することで、民間企業の投資・取引拡大などで経済効果は30年に年間90兆円、50年に190兆円に達すると試算しています。

火力1.jpg戦略は50年までに洋上風力など再生可能エネルギーを普及させるほか、火力発電所などから出るCO2を回収・再利用する技術(CCUS)導入により、電力部門の排出を実質ゼロに抑え込みます。家庭やオフィス、工場をはじめ非電力部門からのCO2は植林などを通じて吸収する姿を描いています。

さらに、30年代半ばまでに、乗用車の国内新車販売のすべてを電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などの電動車に切り替える目標を明記しています。


スマホ脳.jpg「うちでは、子供たちがデジタル機器を使う時間を制限している」とは、スティーブ・ジョブズの言葉だ。彼だけでなく、IT業界のトップは、わが子にデジタル・デバイスを与えないという。うつ、睡眠障害、記憶力・集中力の減退、学力低下、依存・・・・・・。最新の研究成果は、スマホの便利さに溺れているうちに脳が蝕まれていく恐るべき実態をあぶり出す。著者はスウェーデンの精神科医、世界的ベストセラーとなっているという。

デジタル化は脳には諸刃の剣。毎日何百、何千回もスマホをスワイプして脳を攻撃していたら、注意力は散漫、慢性化すると、その刺激に欲求を感ずるようになる。小さな情報のかけらや「いいね」を取り込もうとして、大きな情報の塊をうまく取り込めなくなる。デジタルの道具を賢く使うこと、デメリットもあることをよく理解してほしい。そして、睡眠、運動、他者との関わりの3つ。これが精神的な不調から身を守る3つの重要な要素だという。さらに人間がテクノロジーに順応するのではなくテクノロジーが私たちに順応するように開発せよ、偽情報を拡散しないようにしよう、と呼びかける。

「スマホは私たちの最新のドラッグである」――。周囲の環境を理解し、脳は新しい情報を探そうとするが、その脳内物質がドーパミン。ドーパミンの最重要課題は、人間に行動する動機を与えることだが、SNSは報酬中枢を煽る。日に何百回とドーパミンを散出させるスマホ、人は気になって仕方がない。集中力が落ちる。メモをとると情報を処理する必要があるので内容を吸収できるが、覚えなくてもパソコンに任せるとなると覚えるエネルギーが不要だから吸収できない。長期記憶を作るには「集中」という「固定化」と「睡眠」が必要だが、スマホによって「睡眠」が削られ、「集中と熟考」が疎外される。「周辺への無関心」も進む。「SNSが私たちの共感力を殺す徴候がいくつもある」「SNSが女子に自信を失わせる」「フェイクニュースの方が拡散する」という。

「バカになっていく子供たち」――「幼児には向かないタブレット学習(文字を書いて覚える。紙とペンで書くという運動能力を鍛え、感覚を身につけることが大切)」「若者はどんどん眠れなくなっている」「若者の精神不調が急増している」・・・・・・。「運動というスマートな対抗策」――「子供でも大人でも、運動がストレスを予防する」「少しの運動でも効果的」・・・・・・。

「デジタル社会が人間を注意散漫にしている」――「集中力」「記憶力」「共感力」が低下し、睡眠時間も減っている。「インターネットは深い思索を拡散してくれない。表面をかすめて次から次へと進んでいくだけだ。目新しい情報とドーパミン放出を永遠に求めて」「睡眠を優先し、身体を動かし、社会的な関係を作り、適度なストレスに自分をさらし、スマホの使用を制限すること。もっと多くの人が心の不調を予防することが解決策だと思っている」という。


13日(日)、20日(日)、TOKYO MX1の「東京ホンマもん教室」に出演しました。
藤井聡・京都大学大学院教授との対談で、私の出演部分は、13日が開始20分頃、20日が開始13分頃です。

以下のURLからご覧になれます。

■12月13日
https://www.youtube.com/watch?v=GvYwtuKNuak

■12月20日
https://www.youtube.com/watch?v=kg5SJA71D8I


SDGs(持続可能な開発目標).jpgSDGsは、2015年の国連総会で全加盟国が合意し、採択された世界の進むべき「未来のかたち」。貧困、飢餓をなくし、健康と福祉、産業と技術革新、海の豊かさを守るなど、経済・社会・環境にまたがる17の目標と169のターゲットがあり、2030年までの達成をめざす。「だれ一人取り残されない」ための目標を設定しているが、具体策は任されている。「従来型の、問題があって答えを導く問題集とは逆で、答え(目標)は書いてあるが、その答えを導くプロセスは書かれていない」「個別目標を達成するために押えておかねばならないチェックポイント、個別利益と全体利益との整合性をもたせるためのチェックリスト」「達成へ向けルールがなく、到達点だけが示されている」のがSDGsだ。全加盟国が合意し、今、全体に浸透していっているSDGsの意義はきわめて大きい。

「ポスト・コロナ」の"道しるべ"――。新型コロナの猛威のなかの世界。これによって失業、貧困、弱い立場の人への打撃、教育も経済も医療もダメージを受けている時、「だれ一人取り残されない」ためのSDGsが達成されていたら、影響は間違いなく緩和されていたはずだ。働き方や公共交通、GIGAスクール、デジタル化が進んでいればと思うが、だからこそ「ポスト・コロナの"道しるべ"」SDGs、「未来のかたち」SDGsということだ。

SDGsは従来の環境を重視した取り組みを「経済・社会・環境の統合」を実現させた。そして、企業にも「SDGsへの対応が企業価値を高める」「イノベーションの起爆剤となる」「"四方よし""中長期経営戦略""消費者意識の変化"などに対応する」という変化をもたらしている。自治体にも「SDGs未来都市への挑戦」「地方創生の方向性と戦略」「だれ一人取り残されない個性ある都市への志向」等々、取り組みの加速をもたらしている。

SDGsの第一人者である蟹江慶應大教授が解説する。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任、公明党前代表。元国土交通大臣、元水循環担当大臣。

現在、衆議院議員、党全国議員団会議議長、東京第12総支部長、首都直下地震対策本部総合本部長、現代中国研究会顧問など。

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