
「闘病と浪人と投獄の三つの段階を通って実業人として完成する」という松永安左エ門さんの名言を受け、苦難・風雪のなかで人間が鍛えられるという書だ。
「自分の生のみすぼらしさ、つたなさがあわれでならなかった」という川端康成の言。
「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候。死ぬる時節には死ぬるがよく候」「縁ニ随ッテシバラク従容ス」という良寛の言。
「あがり(相場)さがりの十年間の辛抱のできる人が、すなわち大豪傑だ」「ヤセ我慢を張り通せ」という勝海舟や松永安左エ門の言。
「風車 風が吹くまで 昼寝かな」の広田弘毅。「今が最悪だといえるときはまだ最悪ではない」というシェークスピア。
この本の副題には「嵐の中でも時間はたつ」とある。私は、究極の人間哲学は師弟だと思う。