「国民の命を守るため、地域の生活を守るためにしっかり対策に取り組む」――。12月5日、都内で開催された「災害復旧促進全国大会」に出席し、挨拶しました。
今年も多くの災害が発生しました。まず、昨年末から3月にかけての豪雪。青森県酸ヶ湯では観測史上最高の積雪566cmを記録しました。夏から秋には山口県、島根県、秋田県、岩手県など各県で集中豪雨が発生。9月の台風18号では京都府、滋賀県、福井県で特別警報が初めて発令され、10月の台風26号では伊豆大島で記録的豪雨による大規模な表層崩壊が発生し、39名の死者・行方不明者を出す大災害となりました。埼玉県や千葉県などでは竜巻や突風の被害もありました。
改めて、災害で被害に遭われた方々に対し心からお見舞いを申し上げます。
特に感じるのは、これまでとは異次元の現象が起きており、今までとは違う対応が必要となっているということです。温暖化が進み、フィリピンを襲った台風30号のようなスーパー台風が日本に上陸する事態も想定しなければなりません。さらに、洪水や高潮により地下街が浸水するような事態にも対策が必要です。脆弱国土日本であるとともに、文明の進歩に伴って脆弱性がさらに増している点も考慮しなければなりません。
国民の命を守る防災、減災対策にしっかり取り組みます。
11月30日、秋田県へ行き、日本海沿岸東北自動車道(通称、日沿道)の大館北・小坂間(16.1㎞)の開通式に出席。さらに、開通に合わせて工場立地が急ピッチで進む工業団地を視察しました。
日沿道は、秋田県から山形県、新潟県に至る日本海沿岸の国土軸を形成する重要な道路。今回その北側の起点となる大館北・小坂間が開通し、これまで高速道路がなかった大館市が、東北の大動脈である東北自動車道に一気につながりました。大館市、小坂町は、秋田市、青森市、盛岡市のちょうど中間にあり、これからは北東北の中心として重要になります。
開通式で私は、「本格的に雪が降る前に開通の日を迎えることができて、地域の皆さんに大いに喜んでいただけると思います」と挨拶。地元の佐竹敬久知事、小畑元大館市長、細越満小坂町長から、喜びと感謝の挨拶が続きました。
この道路の開通による大館市の経済効果は絶大です。開通に合わせるように工場進出が進み、昨年は12社15工場が新たに立地。新規雇用も増え、高卒求人倍率は全国平均の2倍の多さです。これからもレアメタルのリサイクル産業や広域観光などで、地域にますます活気が出ることが期待されています。進出工場の一つ、医療機器メーカーのニプロ(株)の小林工場長からは、「高速道路を利用して、太平洋側の港からも日本海側の港からも、全国、さらには世界に向けて輸送できるので利便性が高まる。命に関わる製品を安定的に供給できる」と説明がありました。
道路がつながりネットワークができることによる地域の皆さんの喜びを強く実感しました。