2月22日、福島県に行き、常磐自動車道の広野・常磐富岡間(約16.4km)再開通式に出席しました。
常磐自動車道は、福島県の浜通りを通って首都圏と仙台を結ぶ東北の重要ルート。今回の区間は、東日本大震災で路面に深さ2~3mの大規模な亀裂ができたり、路肩が崩れるなど大きな被害を受けました。しかも福島第一原子力発電所から20km圏内にあるため、復旧工事の着手が遅れ、長い間通行止めとされてきました。このたび復旧工事と除染作業を行い、当初の予定を1か月前倒しして、震災から3年目を前に再開通することができました。
開通式で私は、「常磐道は、福島県はもとより東北の復興に欠くことのできない道路。未開通の区間についても、一日も早い全線開通に向けて全力で取り組みます」と挨拶。さらに、原発事故による避難者の高速道路無料措置について、今年3月31日が期限となっていますが、これを1年間延長する方針をこの場で初めて明らかにしました。開通式の直前にも地元の佐藤雄平知事、遠藤智広野町長、松本幸英楢葉町長、宮本皓一富岡町長から強い延長要望があっただけに、地元の皆さんに喜びの反応が広がりました。
この再開通と無料措置の延長により、福島の復興に弾みがつくことが期待されます。東北の復興加速の実感に向けて、さらに取り組みます。
2月に入り連日、補正予算の審議があり、今は衆議院で来年度予算の審議が続いています。豪雪、災害、建設業の執行状況、若い人の担い手確保の取組み、観光や東京オリンピック・パラリンピックへの備えなど、国土交通省の所管する分野は幅広いだけに、答弁する機会が多くあります。
本日19日、衆議院国土交通委員会が今年初めて行われ、国土交通行政についての所信表明を行いました。また、ラオスのソマート・ポンセナー公共事業・運輸大臣と会談しました。会談では、インフラ整備、建築技術、航空、観光、技術交流や人材育成等について意見交換を行い、2間関係を一層緊密化していくことを確認しました。
これから予算委員会や国土交通委員会が連日のように行われますが、しっかり答え、国民の皆様の理解が得られるようにしたいと思います。
頑張ります。
「しまなみ海道」を走る自転車の通行無料化が大きく前進しました。「しまなみ海道」は、広島県と愛媛県の間を、瀬戸内海に浮かぶ多くの島々に橋を架けて結ぶ本四連絡橋。地元では「しまなみ海道」という愛称で呼んでいます。橋の部分には自転車と歩行者の専用道が設けられており、美しい海と島々が織り成す景色を眺めながらわたることができます。
2月6日、広島県の湯崎英彦知事、愛媛県の中村時広知事が国土交通大臣室に来られ、「しまなみ海道」の自転車通行料金の無料化について要請を受けて意見交換しました。
「しまなみ海道」は、自転車で瀬戸内海を横断できる唯一のルート。サイクリング愛好者のメッカとして多くの人が集まる国内でも貴重な観光資源です。昨年10月には、国内外から約2500人のサイクリストが参加した大会が盛大に開催されるなど、地元が主体となってサイクリングを核にした地域づくり・観光振興の機運が盛り上がっています。
両知事から、全ルートを自転車で走ると500円かかる料金を無料化する要請を受け、私は「観光資源として極めて有効。両県も努力している。実現に向けて調整する」と方針を示しました。無料化によってさらなる知名度アップと観光客の増加が期待されます。
無料化はこれまで両県の悲願だっただけに、両県知事から明るく感謝の言葉がありました。
今年を被災地の復興加速を実感できる年に――2月1日、仙台市に行き、「復興加速化会議」を行いました。昨年の3月、10月に続き3回目です。村井嘉浩宮城県知事、奥山恵美子仙台市長のほか岩手県、福島県の代表者、地元の建設業団体、住宅や生コン関係団体の代表者から、資材・人材の確保等について直接現場の状況を聞き、対策を協議しました。
「昨年4月に続いて2月1日から労務単価を再引上げするなどスピーディーに対応いただき、ありがたい」「入札不調はあるが、再発注によりほぼ契約できている。基本的に積み残しはない」「今年、国と県の生コンプラントが設置されるのでメドが立つ」「資材や人員は工夫してやりくりしている。適切な価格を設定してほしい」「発注時期の平準化や工期の弾力化もお願いしたい」など意見が続きました。
それを受けて私は、被災地の間接工事費の割増し補正、資材の高騰に対応した増額請求手続きの簡素化、少ない技能労働者で施工可能な二次製品の活用について、速やかに実施することを示しました。
現場の自治体や業界では、知恵と工夫を重ねながら努力しています。今後も現場の実態をきめ細かく把握し、国・自治体・業界の連携をさらに綿密にして対策を打っていきます。
復興の加速を目に見える形で実感していただけるよう、頑張ります。
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