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「宍道湖・中海・大山圏域は観光や産業で活性化している。さらに支援してほしい」――。8月29・30日、山陰の中央に位置する島根県の松江市や出雲市、雲南市、鳥取県の米子市や境港市に行き、溝口善兵衛島根県知事、平井伸治鳥取県知事をはじめ地域の市町村長、経済界の代表者との意見交換・要請を受けました。また、大規模な斐伊川放水路、今年3月の尾道・松江高速道の全通による工場進出、道の駅、観光名所ともなっている松江城堀川の水質改善、皆生海岸の砂浜再生、境港の港湾整備などインフラ・ストック効果の現地視察を行いました。


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島根・鳥取2県にまたがる宍道湖・中海・大山圏域は今、大いに盛り上がっています。今年3月22日の中国横断自動車道尾道・松江線の全線開通で物流・観光の利便性が飛躍的に拡大。そのストック効果を地域全体で活かそうと市町村が県境を越えて広域連携し、観光や地方創生に結束して取り組んでいます。特に観光では、境港にクルーズ船の入港が増加。国宝になったばかりの松江城をはじめ、夕日が美しい宍道湖、出雲大社、皆生温泉、大山など歴史・文化・自然の魅力を活かす取り組みが進んでいます。

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松江市で行われた意見交換会では、「尾道・松江線の全通で山陽方面だけでなく、四国、九州、近畿からも観光客が増えた」「経済界としても、広島県、四国の経済界と観光、ものづくりの連携を強化している」「広域観光周遊ルートについても地域が連携して進めていきたいので支援をお願いしたい」「山陰自動車道の供用はまだ43%。ミッシングリンクとなっている区間の早期整備をお願いしたい」「境港を韓国、ロシアと結ぶ北東アジアの物流拠点にしたい」など、意欲的な発言が続きました。


地域の市町村が強く結束して地方創生、活性化に取り組んでいることを実感しました。


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8月28日朝、閣議前に行われた関係閣僚会議で、新国立競技場の整備計画が決定されました。私も関係閣僚の一員として会議に出席しました。


2020年東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場をめぐっては先月、これまでの計画を白紙に戻し、できる限りコストを抑制して現実的にベストな計画を策定しなおすことを決定。それを受けた関係閣僚会議には私も加わり、スポーツ関係者からのヒアリングなど検討を行ってきました。


この日決定された整備計画では、「陸上競技とサッカーに必要な機能に限定」「観客席は6万8000席で、サッカーワールドカップも開催できるよう8万席への増設も可能とする」「屋根は観客席の上部のみ」「工期は2020年4月末まで。2020年1月末を目標とした技術提案を求める」「コストは1550億円を上限とする」等を決定。これからのスケジュールとしては、今年12月末までに設計・施工を行う事業者を選定することを示しました。


考え方の基本は、オリンピックの開会式と競技に必要な機能に絞り、コストを抑えるということです。


オリンピック開会まで5年を切った今、新国立競技場の完成に向けて一直線に進めていかなければなりません。スタジアムが確実に完成して大会が成功するよう、私も力を入れていきます。


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「箱根町は火山の恵みで今日まで来た。しかし、この2ヶ月余り、観光客が大幅に減り、困っている。大涌谷周辺の1kmの範囲が警戒区域なのに、箱根山全体が危険と思われてしまう。歯をくいしばって頑張っている」――17日、箱根町の実情を視察。山口昇士町長らの要望を受け、箱根湯本の商店街を回り、切実な声を聞きました。


箱根は6月29日から30日にかけて地震活動の活発化と噴石があり、噴火警戒レベルが2から3に引きあげられました。7月以降は噴石は一度もなく、震度1以上の有感地震もほとんどありません。しかしながら、現在も地殻変動は継続していること、新たな噴気口ができるなど噴気活動が活発なことから、噴火警戒レベル3を継続している状況です。

 
私は、こうした現状を説明するとともに、「神奈川県の温泉地学研究所と連携し観測体制をさらに強化する」「機動観測班2名を常駐させているが、毎日最新状況を地元に報告する」「"今でも箱根駅伝のコースは大丈夫""箱根湯本・強羅・仙石原・芦ノ湖周遊コースは公共交通機関で可能"など、旅行者にわかりやすい正確な情報を提供する」「世界三大旅行博のツーリズムEXPOジャパンが9月にある。箱根をPRする」など、支援を強調しました。


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8月12日からフィリピンのマニラを訪問し、シンソン公共事業道路大臣やアバヤ運輸通信大臣、マニラに本部を置くアジア開発銀行の中尾総裁と連続して会談。また、現地視察、海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)とフィリピン基地転換開発公社(BCDA)の覚書署名式への出席などを行い、14日早朝に帰国しました。


1泊3日の強行軍となりましたが、フィリピンの実情把握とインフラ整備に向けた協力強化を図ることができました。天候にも恵まれ、充実した訪問となりました。


フィリピンは、我が国と経済面や人的な結びつきも強く、重要な世界有数の親日国。今、フィリピン・マニラで最大の問題は国民生活や経済活動を支える基礎インフラの整備です。道路は渋滞で、雨が降ればすぐに冠水。沿岸低地地域のため、台風などもあって洪水が頻発。橋梁は老朽化が著しく、空港は遅延が常態化しています。こうした状況を改善するため、フィリピンは、日本からの協力を強く求めています。


私は、マニラに到着後、直ちに、船上からマニラ市内の橋梁の老朽化の状況やマニラ首都圏の洪水対策として、約44kmにわたるパッシグ川とマリキナ川の堤防の強化・かさあげ事業を日本企業が行っている状況を視察しました。また深刻な渋滞や航空便の大幅な遅延も経験。インフラ整備の必要性を実感しました。


シンソン大臣とは4度目、アバヤ大臣とは3度目の会談となります。今回の会談では、南北通勤線や環状3号線、マニラ新国際空港の整備など、本年6月に両国首脳間で合意した「マニラ首都圏の運輸交通インフラ整備協力ロードマップ」の具体化に向けた戦略や水資源管理・洪水対策などをじっくりと話し合いました。


また、中尾総裁とはアジアにおけるインフラ輸出の加速化に向けた連携を確認したほか、JOINとBCDAの覚書署名式では、シンソン大臣とともに、立会人として覚書に署名し、挨拶しました。

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8月7日に発売された中央公論9月号に、私と冨山和彦氏(経営共創基盤CEO)との対談が掲載されています。タイトルは、「今こそ経済を立て直すラストチャンス──インフラ整備は、見落とされてきた日本経済のエンジン」です。


主な内容は、

・東九州自動車道や日沿道など高速道路の開通によって、工場が新たに立地するなどインフラのストック効果が目に見えるようになっていること

・「防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化」やストック効果がある事業への重点化が大事なこと

・人口減少、高齢化に対応するための「コンパクト+ネットワーク」の考え方(国土のグランドデザイン2050)

・ストック効果のあるインフラ整備は日本の経済成長の源

です。

 「今まさにインフラ、公共事業の地合が変わり、2020年のオリンピックをどう迎えるか、2050年へのグランドデザインをどう描くか、原点に立ち戻って考えるべき時が来ている。今ならそれができる」──ぜひ、ご一読ください。

(ストック効果については、今年4月28日の「太田の政界ぶちかましNo.81」でも書いています。)

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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