「物事をわかりやすくする論理は、因数分解なんですね。括弧の中の話をすると凄くわかりやすくなる」「伝える情報を減らすことで、わかりやすく説明できる。複雑なニュースでも、いろんな要素の中からそぎ落として、これだけは知っておいてほしい、というものを選別して、情報量を減らして伝えている」「ニュースの内容を逐一追うのではなく、基礎基本から解説する」「世界は目まぐるしく変化している。変化に対応するには、変化の底流を知らなければなりません。そのための情報収集と整理」・・・・・・。
「組織拡大術――イスラム国が急成長したわけ」に始まり、「トラブル解決法」「ホンネを見抜く」「歴史の勉強法」「究極のリーダー術」「お金、マネー、資本を知ろう」「交渉術、プレゼンテーションを磨け」「ビジネスのカギは科学にあり」「インタビュー術」・・・・・・。本当にわかり易く解説してくれている。
「クイズは人生と同じ。そのときボタンを押せるか押せないか。人生とは勇気、と、毎回思う」――。人生とは勇気だという児玉さんの生き方、決断の背後には、「人生は祈りの旅路」「人間が生きるということは"祈り"なくしてはあり得ない」「亡き母が僕をどこからかいつも見守ってくれている」「娘の死は天から鉄槌を受けたような衝撃であった。僕は心の底からの笑いを失った」「雨降らば降れ、風吹かば吹け。花に嵐の譬えもあるぞ、さよならだけが人生だ。心の中でにわかに輝きを増した言葉だ」――こうした誠実に、武士のように一人歩んできた人生哲学がある。
亡くなってもう3年以上たつとのこと。子供の頃のこと、俳優の時のこと、テレビに出るようになってからのこと、そして読書。素晴らしい生きざま、人生哲学が、静かににじみ出ている。中江有里さんが解説を添えて(捧げて)いる。
「古代駅路から高速道路へ」と副題にあるが、古代律令国家の駅路整備から、鎌倉幕府による「鎌倉街道」のネットワーク、織田信長の幅三間半の公道規格、江戸幕府の五街道整備など、道路は人間の歴史とともに歩み、造られてきた。
「道路を見れば日本の歴史がよく分かる」「国がしっかりしている時代は、道路網もまた強固である」「日本では昔から道はほとんどすべて公道であった。日本の道路総延長121万キロのうち、84パーセントの102万キロが市町村道である。市町村道100万キロは日本の誇りである」「日本は土地が少なく極限まで有効利用するから、そのために道路が必要なのである。日本は"道路王国"ではなく、"道路がなくては生きてゆけない国"であり、"道路を公のものとして大事にしてきた国"なのである」という。まさに今日に至るまでの「道路の日本史」を技術も含めてあますところなく詳述した著作だ。
鹿島謙吾は販売部数1000万部を誇る東西新聞社の社会部記者。途上国での臓器売買問題に狙いをつけ、西安に出張し、少数民族の死刑囚からの臓器摘出の実態を報道した。それは、臓器移植のための海外渡航を困難にし、一方では、12年ぶりに国会において臓器移植法改正議論が始まることとなった。そして取材を進めると、移植を生死をかけて待っている人とその家族、提供するドナーと家族の重い決断、生命倫理の深淵と、社会の公器としてのマスコミの影響の重大性。それに加えて臓器提供に関する情報隠蔽や政治献金の問題に突き当たる。謙吾の思考の堂々巡りは果てしなく続く。そして決断・・・・・・。その後もその影響と責任は重くのしかかる。政治と行政とマスコミを知る芦崎さんの心情と絶妙のバランスが、難題でありながらリズムを奏でる。