「自然エネルギーと共同体自治に向けて」という副題。市場や国家などシステム過剰依存による共同体空洞化が、孤独死・乳幼児虐待放置など、あらゆる場面 で噴出しており、共同体自治へ向かうことが大切だ。それはエネルギーも同じで、電力会社も電源種も自家発電も選べる国に脱皮せよ(先進国標準だ)。エネル ギーや物に頼らなくても幸せに溢れた社会がある――そう宮台さんはいう。飯田市や上関原発に隣接する祝島でのエネルギーや共同体自治の動きを、二人はさま ざま紹介する。
飯田さんは、いわゆる「原子力ムラ」の独占的状況を説明し、自然エネルギーを軸とした社会づくりは、そうした長年の仕組み自体を脱皮しないとできないこと
を自らかかわってきた実例を示しつつ指摘する。ライフスタイルだけではなく、より広がりのあるソーシャルスタイルを変える。ソーシャルスタイルも、発電・
送電・配電問題も、全種全量買取制である固定価格制度、電力自由化・CO2削減・脱原発・共同体エネルギー供給の組合せの実践――そうしたことに論及す
る。
原発反対・原発推進の構図を脱し、情の日本思考を越えるには、相当な広範、重厚な論議と実証の積み重ねが必要だ。
原発反対・原発推進の構図を脱し、情の日本思考を越えるには、相当な広範、重厚な論議と実証の積み重ねが必要だ。