あの「スマホ脳」のアンデシュ・ハンセン氏の特別授業。前著では、スマホの便利さに溺れているうちに、うつ、睡眠障害、記憶力・集中力・注意力の減退、学力低下、依存等々、脳が蝕まれていく恐るべき実態を暴き出した。脳は周囲の環境を理解し、新しい情報を探そうとするが、その脳内物質がドーパミン。ドーパミンの最重要課題は、人間に行動する動機を与えることだが、SNSはその報酬中枢を煽る。ではどうすればいいのかを本書で語る。
一言で言えば「運動しよう。そうすれば脳は確実に強くなる」ということだ。「運動の後にもらえるドーパミンの方が、スマホからもらえるよりずっと量が多い」「ストレスを受けると扁桃体が警報を鳴らす。この扁桃体の大騒ぎにブレーキをかけてくれるのが海馬(記憶をつかさどる)と前頭葉。海馬と前頭葉を強くするのが運動だ」「運動によって1番強化される脳の部分は前頭葉と前頭葉皮質」「昔に比べるとスマホ、パソコン、テレビなどスクリーンの前で過ごす時間が増えている。今の子供は、すぐご褒美(ドーパミン)をもらうことに慣れてしまい、スポーツ、勉強、読書、楽器を弾くなど我慢強く練習できない。ドーパミンの罠にハマらないようにすることが大切」「短期記憶が保存される場所が海馬。短期記憶から長期記憶の移動(固定化)を選ぶのも海馬」などという。
自分最強の脳を手に入れ、ストレスに強くなるため、運動がいかに大事かを解説している。