大変お世話になった河合隼雄先生と興味深い話をいつもしてくれる茂木健一郎さんの対談。私自身、昔から同じ夢を何度もみることがある。空を平泳ぎで泳いだり、試験に間に合わないとか卒業できないで焦るとかいう学校ものとか。これは何か意味するところがあるのか、と気になっていた。「夢」について興味深い話があった。「心の盲点が夢に現れる」というのだ。
河合先生によると「人間は生きていること自体、大変、無理をしている。それを、無理をしているだけではもたないから、寝た時に調整する。
その調整する動きを脳の中で視覚的に把握したのが夢」という。その意味では、夢をみるということは、きわめて大事だ。問題はその夢のもつ意味だ。本書によると、こういう夢はこういう心のあらわれと定形化することはできないという。同じ夢でも、その人の今までの生き方、環境などによって違う意味をもつわけだ。「関係性」が大切らしい。面白い本だ。