
「小泉改革は格差を拡大したのか」
「連続する事件や事故に関係があるのか」
――ジニ係数とローレンツ曲線に始まり、完全失業率、非正規雇用、ワーキングプア、生活保護、ホームレスとネットカフェ難民、一人当たりGDPの意味を解析し、統計思考力を示している。
その背景には平均世帯人数が減少した。高齢者がふえた。高齢者の格差が著しい。景気の動向が影響している。
ホームレスやネットカフェ難民は数えられず、統計がかなりアバウト。だが、97年から5年位が増加している。小泉政権下で、平均給与は下がっているが、正社員は上がり、非正規は上がらない。
小泉改革と格差拡大の関連ははっきりしないが、格差社会そのものは幾多の要因からある(小泉以前から)。
「平均と分散」「正規分布とべき分布」「相関」「標準編差」「大数の法則」をわかりやすく説明し、さらにデータの利用を道案内してくれている。
じつに面白い本に出会った。