美しい日本の心.jpg 王敏さんの「<意>の文化と<情の文化>」「ほんとうは日本に憧れる中国人――『反日感情』の深層分析」など、日中の比較文化研究はきわめて良い。日中とも人々には同文同種の思い込みがある。姿も容貌も似ているうえ、漢字や儒教の教養も互いにあると思い込む。2000年の交流の歴史もあるが、王敏さんは「文化の相違に関する鈍感」「それがズレとなる」とし、「異文化として認め合う基本の欠落を埋めよ」という。

 日本は1年 ぶりで会った時でも、お世話になったことを感謝する言葉を添えるのが挨拶の基本だが、中国の感謝はその時、その場で行うものであり、後日会った時は謝意は 言わない。繰り返しての感謝は水臭い、親しいからこそ再三の感謝は避ける。しかし、お詫びの言葉は繰り返すことが多い。「前事不忘」の意味はそうしたこと だと、指摘する。

 「美 の感性優先の思考」「原理原則のない感性の世界」「無思想、無哲学の国」――そうした真似る日本。「鉄面皮の中国と変節する日本」「西洋化へ雪崩れる、変 わり身のすばやい日本、西洋化を恥とし、敵視した中国」「阿倍仲麻呂に見る望郷・ふるさと(景色・山河)、ふるさとに執着しない中国人(中国人がふるさと で想起するのは人、家族)」「愛国心の差異」――など、丹念に描いている。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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