1850年以降の歴史を俯瞰している。しかも世界と日本、そして経済と文化と官僚という視点が常にある。「東日本大震災は"戦後日本"の"終わり"を告げ る大災害である。・・・・・・まさしく戦後日本の敗戦だ」という。たんなる敗戦ではない。明治維新の時も、あの昭和の戦争の時も、20年にわたる「下り 坂」、低落と言う足掻きと苦闘の果てのもの。今度も20年にわたる下り坂の末の大震災、つまり「戦後日本の終わり」を告げる第三の敗戦だと指摘する。
大事なのは歴史を顧みると「古い日本」を戻そうとしてはならないということ。今度も「古い日本」、官僚主導・業界協調体制で規格大量生産型の工業社会を実
現した「戦後日本」を再建しないこと。武士の文化を捨て、身分制度を廃止し、徳川「安定」の正義概念を明治「進歩」の概念に変えた明治維新のように、陸海
軍を廃止し、内務省を解体して帝国主義の政策を捨てた「忠勇と勤勉」から「安全と平等と効率」に変えた昭和の戦争・戦後のように。今、それを変える時だ。
弱い政治と頑強な官僚機構を変え、「省資源」「多様なコミュニティ」「好き好き開国の知価社会」「好老文化」の新しい日本の幕を開けという。