
転職しようとしても何度も何度もハネられる。就職しても過酷で、自信も喪失する。無気力になる。生活保護を受ける。しかもそこに貧困ビジネスが突け込む。受給者は就労意欲をますますなくす。生活そのものが乱れていく。生活保護から抜け出せない。抜け出そうとしない。
大阪市と貧困ビジネス業の戦いが生々しく語られる。第二のセーフティーネットの柱、「訓練・生活支援給付」が就労に結びつかない。もう一つの柱、「総合支援賃金貸付」は返済できなくなる。回収は進まない。加えてこうしたこと自体が、貧困ビジネス業者の新たな標的になる。
現実には貧困層の3分の1しか受給していない生活保護。自立するインセンティブをより制度の中に抜本的に組み入れなければならない(鈴木旦氏は「保護を打ち切る期限を設ける」「ある種の蓄財を認め凍結預金口座をつくる」「最低賃金の引き下げで職を確保する」などと述べる)。矛盾は誰しも指摘するが、現場の実態を知らなければ、対応はできないことは確かだ。