世界から賞賛と羨望を集めた「ジャパンシステム」が、その後進化せず、逆にいまや日本の桎梏となっている。世界がこの半世紀、情報化、グローバル化、環境制約の激化、人口爆発などのメガトレンド、さらには世界経済の大変動、不安定化にさらされるなか、日本では少子高齢化、人口収縮、デフレ、財政難が加速している。島田さんは「これだけの巨大潮流変化のなかで、自らのシステムを進化させなければ、衰退するのは当たり前だ」という。そして「覚悟を決めて、新たな仕組みに変革していけば、日本にはまだまだ大きな可能性と潜在力はある」と具体的提言をしている。
「安心の基本は年金」「雇用慣行と労働政策の大転換を」「新しいエネルギーミックスの考え方」「新時代の国際立国と対日投資を促進させよ」「戦略農業への大転換」「医療を強力な成長産業に」「求められる新たな住宅思想と住宅政策」「日本観光の問題点と可能性」――。時の政府の真ん中で日本の閉塞を打ち破り未来を切り拓く推進役となってきた島田さんだけに、未来性ある具体策が提示されている。進める政治の力こそ本当に大切。