新時代の企業防災.JPG「3・11の教訓に学ぶ地震対策」と副題がついている。首都直下地震と南海トラフ巨大地震が起これば、人的および社会経済被害は計り知れない。被害の最小化、迅速な回復を図る「減災」と「レジリエント(強靭化)」を早くから訴え続けた河田さんが、災害多発・激化時代に対して国・自治体、企業、個人・家族がどう迎え撃つかを示した著作だ。

東日本大震災やタイ・チャオプラヤ川氾濫被害、米のハリケーン災害などで何がおきたのか。そこから導き出される教訓は、災害は各般、広域、時間的変化と多岐にわたる甚大な影響をしっかり想定した対応の必要性だ。さらに地震と水害などが重なってくる複合災害となることを想定した体制、組織、対策をつくることの緊要性だ。企業におけるBCPは、そうした大災害に対応するものでなくてはならないし、道路や通信などのネットワーク(網)というものにとくに配慮したものでなければならない。

脆弱国土・日本。それが高度に発達し脆弱性をより内包した社会となっていることを直視し、国土と社会の安全保障に踏み出さなければならないことを痛感させる。具体的、包括的、実践的な防災・減災の必読書だ。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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