9月11日からタイ、ベトナム両国を訪問して関係大臣との会談、現地視察を行い、14日早朝に帰国しました。また、14日夕方には、訪日中のベトナムの文化スポーツ観光大臣と国交省で会談しました。
両国とも、鉄道、道路、港湾をはじめとしてインフラ整備が最も重要なだけに、今回の外国訪問も強行スケジュール。関係大臣との連続的会談も熱のこもったものとなりました。主要テーマは、防災に関する協力関係の構築、インフラ整備のトップセールス、観光交流の促進の3つ。以前日本で会談し、今回が二度目の会談となる大臣も3人、個人的な信頼関係をさらに深めることもできたと思います。外交も人、そして明確な主張、粘りです。
まず、防災に関する協力関係の構築について。
タイ、ベトナム両国は、雨期や台風による洪水が多発しています。両国の災害対応力の向上のためには、日本の氾濫予測技術やダムの効果的運用など優れた防災技術について、産官学一体で支援し協力していく関係を築くことが重要です。このため、タイではプロートプラソップ副首相との間で、ベトナムではファット農業農村開発大臣との間で、それぞれ「防災協働対話」実施の覚書を締結しました。
また、タイでは、2011年のチャオプラヤー川の洪水で浸水し、日本の国際緊急援助隊のポンプ車が排水支援を行ったバンカディ工業団地を視察。ベトナムでは、今年は日越友好40周年記念行事が行われており、その一つである防災セミナーで挨拶を行い、防災技術での協力をアピールしました。

次に、インフラ整備のトップセールス。
タイもベトナムも、急速な経済発展と都市化の進展により交通インフラの整備が急務です。私も今回の訪問で、バイクや車が市街にあふれ(特にハノイでのバイクの量はすさまじかった)、渋滞が恒常的に起こっている状況を目の当たりにしました。
タイでは、チャチャート運輸大臣と会談。バンコクと地方都市を結ぶ高速鉄道、バンコク都市内の地下鉄の整備について、安全で信頼性の高い我が国の技術が導入されるようアピールしました。特に高速鉄道については、日本の新幹線整備が国民の心をつなげて奮い立たせる効果があったことを紹介しながら、タイの実情にフレキシブルに対応しながら全面的に協力することを約束しました。その後、高速鉄道駅の建設が予定されるバンスー駅を視察し、計画の説明を受けました。視察を見守る市民や取材する記者団の多さにビックリしました。それだけ注目が高いと思われました。
そして、観光交流の促進。我が国が目標としている訪日外国人旅行者数1,000万人達成のためには、ASEAN諸国からの旅行者増加が極めて重要です。タイのソムサック観光・文化大臣、ベトナムのアイン文化スポーツ観光大臣との会談では、両国からの訪日旅行者増加を目指して意見交換を行いました。
タイ、ベトナム両国では、2020年東京オリンピック招致決定について心からの祝福を受けました。経済発展を遂げつつある活力にあふれた両国に対し、我が国は優れた技術でしっかりと支援していかなければならない、その大きな役割を強く認識した有意義な訪問でした。