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元大関・琴風、尾車親方。現役時代は大関への期待がかかった時に左ヒザじん帯断裂の大ケガで幕下まで陥落、再起を果たしてまた関脇で左ヒザ半月板損傷。再び立ち上がり初優勝して大関へ。また右ヒザじん帯損傷で引退――。尾車親方となって苦節13年、ついに関取を誕生させるが、昨年4月4日、巡業先で転倒して頸髄捻挫の重傷。首から下が全く動かせない全身麻痺の状況から奇跡の復活をついに果たす。

逆境、試練、苦難の連続、一寸先は闇、波乱万丈――。「勝つまでやることを、頑張ったというんだ」「何度転んでも起き上がるんだ」「ピンチを乗り越える力を持っている者にしか、試練は与えられない。自分は認められた男だと思って頑張れ」と自身に言い聞かせながらの人生が、琴風の人生だが、「琴の音が、風に乗って響く」琴風らしく、ものすごく謙虚に静かに語っている印象的な本だ。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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