新改訂 防災・減災・復旧 被災地からおくるノウハウ集.jpg
きわめて貴重な重要な本となっている。2005年にスタートした水害サミットの証言・提言集だ。被災地の首長さんが体験に基づいて「水害現場でできたこと、できなかったこと」を実践的に述べたことをまとめたもの。私も昨年の「第9回水害サミット」に参加した。


「災害時にトップがなすべきこと」「災害発生時の対応」「発災後における対応」「平常時の対策」等をまとめているが、集約すれば「序論 災害時にトップがなすべきこと 11項目」となる。


1.「命を守る」ということを最優先し、避難勧告を躊躇してはならない
2.判断の遅れは命取りになる。トップの決断を早くすること
3.人は逃げないものであることを知っておくこと(人を逃がすための工夫)
4.ボランティアセンターをすぐ立ち上げること
5.住民はトップを見ている。トップは住民の前に、マスコミの前に全力で働いている姿を見せること
6.住民の苦しみや悲しみを、トップはよく理解していることを伝えること
7.記者会見を毎日定時に行い、情報を出し続けること
8.大量のゴミ対策を
9.お金のことは後で何とかなる。やるべきことは全てやれ
10.視察は嫌がらずに受け入れること(現場を見た人は必ず味方になる)
11.応援・救援に来てくれた人に感謝の言葉を伝え続けること

避難勧告、指示など、「どう住民に危機を伝え、的確な指示を出せるか」ということで苦労してきた首長たちの珠玉の生の声、現場の声があふれている。良書。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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