
「陰謀の歴史篇」として17の絵画が取り上げられている。欧州文明の中で生きてきた者として、改めて欧州の歴史の重厚さを知る思いだ。卓越した名文、リズミカルで歯切れがよい。どんどん歴史の中に、引き込まれる。面白い。
絵画にもふれてきた。音楽にもふれてきた。そして欧州文明のなかで生活もしてきた。しかし、高校の世界史以来、学んでこなかったことを思い知る。ドラローシュの「ロンドン塔の王子たち」、スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」、ティツィアーノの「カール五世騎馬像」、ラファエロの「レオ十世と二人の枢機卿」、グレコの「ラオコーン」、ゴヤの「異端審問の法廷」・・・・・・。
その時代の権威、権力、宗教、文化、風俗、恐怖・・・・・・。面白く、息吹、臨場感が伝わってくる。