
平成の世から老中・田沼意次が失脚寸前の天明の世にタイムスリップした武村竹男(タケ)が見たものは・・・・・・。地本問屋「耕書堂」の蔦屋重三郎(蔦重)、歌麿、りよ、蔦屋の面々、狂歌連のメンバーや吉原や料亭で働く人々、勝川春朗(北斎)、花魁の菊乃や蜻蛉など、江戸の生きいきとした民衆が描き出される。
「"あがり"を定めて、人生を逆算しろってことだ」「かけてもらった恩は下に送らなきゃなんねえし、人にかけた情けは、いずれてめぇに返ってくる(恩送り)」「てめぇの道をてめぇで塞いでどうする?"でも"とか"しかし"なんて言ってる奴は、金言を逃すし、人様に可愛がってもらえねぇぞ(人の言葉を否定しない)」「てめぇの好きな仕事をやって人様に喜ばれることほど目出てぇことはねぇ」「やっぱり、怒りや恨みってぇ感情は、人を突き動かす力になるもんだ」・・・・・・。まさに人生の知恵、人生の勘どころが、次々と蔦重から発せられる。