
「消えていく税金」と副題にある。日本の財政状況が危機的状況にあるという問題意識、日本経済が財政金融政策の発動による景気浮揚策に慢性的に依存してきたという問題意識がまず前提としてある。そして「高度成長の呪縛」「円高恐怖症」「政官業の鉄のトライアングル」などをまず指摘している。
そして「タックス・イーターが群がるもの」として「予算(一般会計、特別会計)」「財政投融資」「租税特別措置」「国債」のそれぞれに、何が、どのように群がるかを示す。族議員、官僚、鉄のトライアングルにもふれる。「官僚」のなかでは、財投対象機関、「公企業」として特殊法人、認可法人、独立行政法人、特別民間法人などの概要を示している。
タックス・イーターとの戦いとして「終わりなき行政改革」「国境を越えて」と国内外の問題を指摘している。肥大のベクトルが働くがゆえに、善悪の二元論を排しつつ、常に厳しく監視する動体視力を養わねばならない。