知の進化論.jpg我々は今、大きな変化の渦中にある。どのような社会に推移していくかを見通せない。インターネットが我々の情報環境を大きく変えたが、いま人工知能の進歩は著しく、ビッグデータを駆使し人間の知的作業の多くを代替することになる。「ロボットの脅威――人の仕事がなくなる日」(マーティン・フォード)もあれば、「シンギュラリティ――人工知能から超知能へ」(マレー・シャナハン)のように、多くの人は仕事を失うかもしれないが、豊かに暮らすという楽観論もある。ニュートンは「リンゴはなぜ落ちるのか?」ではなく、「リンゴは落ちるのに、なぜ月は落ちないのか?」と誰も発しなかった問いを発したことを例示し、「人工知能は疑問を抱くことができるのか?」という。そして人間の「知識」というものの本質を指摘する。「知識は資本財の1つである」から「消費財としての知識」「知識を得ること自体に意味がある」「知識の獲得自体が目的化し、無限の喜びをもたらす」という思いを語る。知識の未来は新しい希望の世界に開かれていくとの指摘に、心が晴れやかになる。

「知の進化論」「知識の価値」を示す本書は「グーテンベルク」「インターネット」「人工知能」の時代を画した技術革新の歴史をたどる。「かつて知識は秘密にされていた」「百科事典は知識を万人に開放した」「インターネットで情報発信者が激増した」「検索という方法論」「SNSやキュレイションで情報拡散スタイルが変化」「知識は秘匿すべきか、公開すべきか?」「人工知能の進歩で知識への需要はどう変わるか?」とその内容を興味深い歴史的事件をも交えて解説する。「百科全書・グーグル・人工知能」が副題だ。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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