若者離れ.jpg大人は若者に対してつい、「やんちゃで無鉄砲な勢いやがむしゃらさ」を期待しがちだ。それも「上から目線」で。しかし、情報洪水のなかで生きてきた若者は「周囲を無視して突き進む力」よりも「見つめたうえで受け止めて進む力」を備え、「上から目線」の大人を「情報リテラシーが低い人」と見なす。年上だからすごいのではなく、年に関係なく「すごい人はすごい」「未熟な人は未熟」なのだ。どちらが優れているかではなく、対話によって補い合う「"Whyなき命令"ではなく"Whyの共有"」が「素直な」若者を生かす道だ。

今の若者の価値観は、3つの時代の波にさらされるなかで形成されてきた。不況生まれ"デフレ育ち"、不満はないけど不安。つまり「継続する不況と将来の不安→身の丈志向」だ。そして「人口減少と教育の変化(ゆとり教育)→競い合わない、競争よりも"協調"」、さらにコミュニケーション大洪水、SNSで切れなくなった人間関係、他人の目にさらされる概念の急増から「情報環境の変化→他人への気遣い、正解志向(まわりがどう思うかというまわりの"正解さがし")」を指摘する。まさに協調路線、WEの時代(まわりの私たちWEがどう思うかの価値基準)に若者は生きている。

そして「WEの時代」の自分らしさ、「『I』の有無で180度変わる若者」「すべてが相対的になりつつある世の中で、若者は本当は『I』が欲しいと感じ始めている」「Iへのゆるい肯定感の重要性」「Iへの働きかけが必須」という。マツコ・デラックスの「"私"はこう思うんだけど・・・・・・」を引き、主語を曖昧にしない(毒舌や気づかいとともに)ことに若者が信頼を寄せる。どのようにIをゆるく肯定できるか、若者の「I」に向き合うコミュニケーション術、フラットに向き合うことの価値が示される。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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