文系人間のための「AI」論  高橋透著.jpg早いか遅いかはわからないが、2030年頃までは特化AIの時代、そしてその後は汎用AI(AGI)の時代が進む。カーツワイルがいう「シンギュラリティ」の到来は2045年だが、その後人間はどうなるか、社会はどうなるか。AIと共存し、やがて合体して、人間を越えるものになる。2050年ともなると人間は大きく変容せざるをえない。サイボーグへ、そしてハイパーAIと融合するポスト・ヒューマンへ。

本書は、多大なリスクがあるかもしれないのに、なぜ人間はテクノロジー開発を止めないのか、という哲学的命題に、人間の欲望、とくに脳の可塑性というキーワードで踏み込む。不利益をもたらしても、人間は不可能に挑戦する"奇妙な生き物"だという。「人間は欲望を回転させつづけることをしないと生きていけない。すでに充足させられた人間の欲望はどこへ向かうのか」「人間の生物としての賞味期限は切れる」「欲望の現われである資本主義の限界」「機械が人間に代わって主役になる"次のヴァージョンの資本主義""資本主義2.0"」「生物から非生物への変容こそが"愉楽=幸福"」・・・・・・。

そして本書で紹介している現状――。「もうはじまっているAIとの暮らし」「ディープ・ラーニングの正体」「アドバンスド・チェスとアドバンスド・将棋」「プレシンギュラリティでの人間とAIの協働」「生物としての人間と生死のないAI」「個体、有限性の人間と無限存在としてのハイパーAI」「生身の人間、電脳化したサイボーグ(人機一体)、AIロボットとの共存」「眼球に埋め込むサイボーグレンズ」・・・・・・。大変な時代がスタートしている。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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