人口減少・高齢化の急激な進行とAI、IoT、IT、BTの急進展という2つの足下の構造変化が、日本の生活現場で顕在化し始めている。2020年、東京五輪をめざすのではない。それ以降の日本、10年後、20年後、30年後の2050年の日本を想定して、時間軸をもって備えなければならない。まさに今、危機感をもて、それも今なら間に合う、そうした叫びが本書から聞こえる。微調整ではなく、「人生100年時代の制度設計」「年金・医療・介護・子育て支援」「義務教育も高等教育も」「公務員制度も含めた働き方改革」も・・・・・・。大石さんは「いわゆる"通説"に惑わされて思考停止になるな」「危機に対して"気づきの力"をもて」として「われわれが気づけば、豊かさは取り戻せる」という。
「問題は正しく提起された時、それ自体が解決である」とベルクソンはいう。また「日本人は科学的思考を放棄するリリースポイントが早すぎる」とある科学評論家はいう。本書を読んで浮かんだ言葉だ。
誤った"通説"は、思考と智恵が必要な社会の激変の時に最も危険なものだ。危機に気づかぬ危機だ。はびこる"通説"を打破しつつ「世界のなかで唯一経済成長しない国」「新自由主義経済学による日本破壊」「深まらない安全保障議論と憲法」「東京首都圏一極集中という危機」「先進各国に大きく遅れをとるインフラ環境」「揺らぐ日本の土地所有」「国家の根幹『公務員制度』の危機」「崩壊していく子どもたち」「人生100年時代の制度設計」などを論述する。