暗い時代の人々.jpg大正デモクラシーから昭和の戦前・戦中に生き抜いた人々。とくに最も精神の抑圧された1930年~45年の「暗い時代」に「精神の自由」を掲げて戦った人々を描いたという。それは「良心的な文化運動なども圧迫されがちで、軍国主義的色彩は強くなるばかりの時代」「『人権の尊重』『言論の自由』などと説くと、危険思想と言われた暗い時代」「窮屈で、貧しく人が死んでいく時代」であった。

日本人9人の生涯が描かれる。「粛軍演説」「反軍演説」の斎藤隆夫、社会主義運動と女性運動に奔走した山川菊栄、生物学者をめざし、社会運動家として活躍した山本宣治(山宣)、アメリカで恐慌をベルリンでナチスの台頭を見た竹下夢二、日本で初めての婦人の社会主義団体・赤瀾会の創立メンバーで産児制限運動と労働運動に奔走した九津見房子、京都で反ファシズム雑誌を作り支えた斎藤雷太郎と立野正一、マルクス主義哲学者・古在由重、終生のわがまま者にしてリベルタン・西村伊作だ。

世界史の激流と思想の激突、社会の底で苦悶する民衆、女性と権力の弾圧・・・・・・。短編であるがゆえに血がにじみ鮮烈だ。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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