この世の春 上.jpgこの世の春 下.jpg下野国の北見藩。六代藩主・重興は、26歳にして乱心による主君押込にあい、「五香苑」という屋敷の座敷牢に閉じ込められる。そこから夜な夜な女の啜り泣きや子供の笑い声が発せられる。重興に重用され押込時に切腹したはずの御用人頭・伊東成孝も山中の岩牢に閉じ込められていた。いったいなぜ、重興は乱心したのか。そこに宿る恐怖は何によるのか。御用人頭・成孝が狙ったものは何か。名君と称えられた五代藩主・成興、そして北見家に秘し潜められた闇と謎・・・・・・。宮部みゆき作家生活30周年記念作品。長編だが、緊迫感はとぎれることなく、最後まで引き付けられる。

苦しむ重興を救うべく「五香苑」に集まった人々。主人公・各務多紀、元家老の石野織部、多紀の従弟の田島半十郎、主治医・白田登、奉公人の寒吉やお鈴、筆頭家老の脇沢勝隆らは、この重くて深い北見藩の闇と謎に挑んでいく。これらの人はいずれもしっかり者で、互いを思いやる優しさと明るさをもっており、重苦しく奇怪な世界を三変土田してくれる。人々の力が閉ざされた寒い雪の冬から春をもたらしていく。雪溶け。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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