働き方改革の経済学.jpg安倍内閣が最も力を入れている「働き方改革」――。「同一労働同一賃金」「残業時間の上限規制」「"非正規労働"という言葉を国内から一掃」などが今、いかに喫緊の課題であり、重要か。日本社会全般にわたる大きな課題をガッチリと、しかもコンパクトにまとめて提示している。

GDPは資本と生産性と労働力の3つの要素からなる。「全要素生産性上昇率は、経済全体の資本や労働力の配分効率であり、これを高めるには、雇用の流動性を制約している要因を取り除く必要がある」ということだ。日本の経済成長を支えてきた独特の働き方、「終身雇用」「年功賃金」「定年退職」などを変える「労働市場改革」が急務となる。成功体験が労働市場改革を阻んでいる。

日本の労働市場の構造変化は激しい。「高度成長の終焉」「各職場、役職も増えない」「若者は少なく、高齢化が進む社会」「正社員・非正規社員問題」「AI・ICT社会の進展」「女性の活躍」「共働きの増加、両立支援」「転勤問題」「ストレス社会と健康・休暇」「長時間労働規制と残業問題」「転職リスク」「人手不足問題」・・・・・・。「同一労働同一賃金」は、これらの働き方の枠組みを抜本的に変えてこそ実現するものだ。

本書はこれらの全貌を剔抉している。「日本の労働市場の構造変化」「解雇の金銭解決ルールはなぜ必要か」「竜頭蛇尾の同一労働同一賃金改革」「残業依存の働き方の改革」「年齢差別としての定年退職制度」「女性の活用はなぜ進まないか」「人事制度改革の方向」――。これら各章は互いにリンクしている。副題は「少子高齢化社会の人事管理」。「同一労働同一賃金」「人事管理のあり方」が改革の本丸だとの思いが募る。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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