「AI時代に活きる幼児教育」が副題。AI・IoT・ロボットの急進展するこれからの社会。仕事がそれらに取って代わられる社会。その真っ只中で人生を送ることになる今の子どもたち。それではどういう幼児教育が大切となるのか。いまや切実な重要問題だ。
日本の幼児教育は「遊び保育」が主流であった。またその対極の"お受験"のためのペーパー問題を解かせる「教え込み教育」も台頭した。しかし、AI時代では特に、「考える力」「管理されなくても与えられた問題を解決できる自律した人間」「柔軟性があり論理的な頭脳をつくり上げる就学前の"教科前基礎教育"」「IQに代表される認知能力だけでなく、忍耐力、協調性、計画力、表現力、意欲、発想力、自己制御力といった非認知能力が重要」だという。
そして「幼児期の早い段階から子どもが自分で本を読むことはお勧めしない」「幼児期は"聴く力"を育み、子どものもつ想像力を膨らませる時期」「読み・書き・計算は小学校に入ってからの課題。考える力・思考力を育てるのが幼児教育」「文章題ができない子が多い。論理的に意味を把握できないからだ」と言い、「モンテッソーリ教育」「課題を見つけて、夢中になって行う集中現象を起こして能力を獲得する」「遠山啓の"原数学"――数学的思考を育てる」「KUNOメソッド」「思考力をつけるために必要な10の力――ものごとの特徴をつかむ、比較する、順序づける、全体と部分の関係など」「"聴く・話す"をもっと大事に」などを紹介する。
「学力よりも意欲の時代へ」「認知能力を育てる過程で非認知能力も育てる」「幼児期の考える力は、主体的に参加し仲間と考えながら課題を解決する"アクティブ・ラーニング"でしか育たない」――。これまでの「教え込み教育」「知識の豊富さ、記憶の量獲得の教育」では、AI時代に通用しない。Educationとはラテン語で「引き出す」という意味だという。