不審者.jpg自宅で校閲の仕事をしながら会社員の夫・秀嗣と5歳の洗太、義母の治子と暮らしている折尾里佳子。そこへ突然、20年以上も行方知らずだった秀嗣の兄・優平が現われる。泊まらせることが嫌でたまらない里佳子だが、あまり自己主張しないタイプの秀嗣はなぜかこの「アニキ」を居候させてしまう。

怪しすぎる"不審者"。違和感がしだいに増幅する。しかも、里佳子の周囲では、住宅街に猫の死体が投げ込まれたり、毛虫が布団にいたり、仕事で大切なゲラが消えたり、気持ちの悪い出来事が次々起きる。何のために優平は来たのか。イライラが不安となり恐怖となって、里佳子は追い込まれていく。

「お前が長く深淵を覗き込むとき、深淵もまたお前を覗き込む(ニーチェ)」――。里佳子の実家での秘密の闇が、恐るべき深淵に全てを引きずり込む。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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